11:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:04:57.43 ID:bauBs7zr0
いつの間にか背中に跨がっているひびきに、わたくしは訊ねます。
「ひびき」
「うん」
12:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:05:30.05 ID:bauBs7zr0
見かけに似合う軽快な身のこなしでわたくしの背中から降りると、どこか誇らしげに胸を張り、ひびきは続けました。
「自分、どうぶつのいうことわかるからね」
「なんと」
13:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:05:59.24 ID:bauBs7zr0
「あんまーも『えー、ほんとにー? すごーい』って」
「いや、それは」
彼女は更に平たい胸を突き出す様にしながら、口元をにやつかせています。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:06:31.39 ID:bauBs7zr0
突然の出会いから月日は経ち、そしてあれから毎日の様に、響はやって来るのでした。
『我那覇響』とふらふらした文字で書かれた紙を、嬉しそうに見せてくれた日。
学校でケンカした、と大粒の涙を零しながら駆け込んできた日。
15:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:07:15.50 ID:bauBs7zr0
「おーい」
今日は学校が無い日と言っていましたからね。
最近よく見る制服とやらではなく、響らしい軽い見た目の格好でやってきました。
16:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:07:48.51 ID:bauBs7zr0
「いえ」
「嘘だ」
「なにゆえ」
17:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:08:16.65 ID:bauBs7zr0
「嬉しそうにしてる時って、いっつも耳がピコピコしてるもん」
「し、してません」
「昔からの癖さー」
18:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:08:48.52 ID:bauBs7zr0
憎たらしい顔を浮かべ続けながら、響は隣に腰を下ろします。
そして流れる様に、わたくしの身体に手を伸ばしました。
「ぷにぷにして」
19:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:09:14.68 ID:bauBs7zr0
いつからでしょうか。わたくしよりも響の方が、物知りになったのは。
響の話には、わたくしが見たことも聞いたこともない動物が沢山登場するのです。
この海を越え、陸を越え、更には海を越えた処には氷の世界が在り、そこに住まう命についても博識なのだから、面妖です。
わたくしが響を背中に乗せて、大空を舞う時もそうです。
20:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:09:41.66 ID:bauBs7zr0
「今日は早いですね」
「一緒にお昼食べたくて」
「そうですか」
21:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 15:10:28.22 ID:bauBs7zr0
「じゃーん」
響は得意げに、銀色の筒と片手大の白い何かを取り出しました。
「何だと思う?」
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