過去ログ - 提督「不幸な男女と」
1- 20
20: ◆c4DUj3OH/.[sage]
2016/01/01(金) 22:10:43.98 ID:wnhe3YVQ0
提督「それは別にかまわんが」


俺は比叡の申し出にそう答えていた。
提督という職は、何とも因果なものである。
多くの命を預かっている。
である以上、常に生きている者のことを考え続けなければならない。
そうしなければ、死者の数を増やすことになってしまう。
俺には、金剛のことを悲しむことすら許されないのか……。


比叡「こんなことを言うのはあれですが……本当にいいんですか? あの机は司令がお姉さまに……」


表情に出ていたか。
比叡が俺の顔を覗き込んでくる。


提督「ああ。あの机は金剛のものだ。俺は立場上、金剛を思い出してやることができそうもない……」


あの机を見ていると、どうしても金剛のことを思い出してしまう。
過去を反省することはできても、過去に囚われることは許されない。


提督「だからあれは、比叡に持っていて欲しいと思う」


俺はそう言っていた。


比叡「司令……」

提督「すまんな……。で、金剛の部屋の件だったか?」

比叡「はい。片付けようと思います」

提督「そうか。許可しよう。頼む」

比叡「はい。比叡、気合い! 入れて! 片付けます!」


最後のは空元気であったのかもしれない。


提督「比叡にまで心配をかけるとはな……。俺もまだまだか」


執務室を後にする比叡を見送りながら、そう呟いた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
51Res/64.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice