過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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35: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/02/12(金) 11:16:31.86 ID:rmZaMyUv0


 ニオ「(……あれが、兎角さんの力)」


正直、あまりにも人間離れし過ぎていて私には到底真似は出来ない事だろうと恐れを抱いてしまった。

この隣を走る、傷だらけの女性と。かつての自分は対峙し、そして捩じ伏せていた事実に疑問を抱く程には。


 兎角「銃口さえ見ることが出来れば、射線は案外読める。ただ、読めたところで自分の身体が付いてこなければどうにもならない。」

 ニオ「肉体の限界、ですか」

 兎角「必ず、人間には筋力も体力も限界がある。ただ、東の血筋はその限界点が普通よりも遥か先にあるという事だ」


正直、あのメンバー達は小間使い程度のモノだった。だからこそ、この人数差でも対処することが出来た。

アレならば、まだ策を張り巡らせて走り鳰の方が純粋に恐怖を感じた。


 兎角「……ここから、葛葉の襲撃も視野に入れて動かないといけないな」

 ニオ「すいません……」

 兎角「いつかは向き合うべきだったんだろう、お前自身が育った"家"と。」





それから一週間後。


度重なる襲撃とトレーニングの中で、ニオもまた着実に力をつけていた。

兎角の最たる技ともいえる"投擲"に関しては、兎角本人も認める程に技術が向上していた。


 ニオ「……よし」


格闘戦においても、兎角に土をつける事は叶わずとも、以前指摘された点から一撃の速さと死角を突く技が伸びた。

結果的に度々ガードをすり抜けられるようになっていた。


 兎角「お前は成長した。少なくとも、自分の身を守れる位には。そして、一つだけ大切にすべき事がある」

 ニオ「大切にすべきこと、ですか?」

 兎角「これは人間を殺す為の技じゃない。私が学んだのは暗殺の技だ。でも、"私が"ニオに教えたのは決してそうじゃない。」

 ニオ「はい。必ず、大事にします。教えてもらったこと、全部。」


互いに汗の粒が落ちる中、何時もの廃倉庫でニオは深く頭を下げる。

戦う力とは何かの多くを教えてもらった彼女に、感謝を口にしながら。


 兎角「……ニオは一度ホテルに戻れ。私は少し用が出来た」
 
 ニオ「わかりました。」


そうして、二人は一度別れる事になった。





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