過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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47: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/03/10(木) 12:58:51.74 ID:Ec0YCj+Y0


それにしても、やはりミョウジョウ学園は異常だと、夕暮れに差し掛かる街中を走りながら兎角は考えていた。

数か月前に終結した自分達10年黒組。それから間もなくして、黒組……仮に11年黒組とするそれは始まっていたのだろう。

寒河江と似たような部類の喧嘩殺法を扱う素人から、まさしく敵を"殺す"のでなく"制圧する"為のCQBを扱う軍人まで、様々な種類の人間を惹きつける。

これも、あの理事長の持つプライマーとしての力とやらが働いているせいなのか。


 兎角「(……本当にくだらない)」


ただ、最近特に度重なる面倒事に巻き込まれている兎角は、その言葉だけを頭に思い浮かべた。

そうして走っている間、明らかに背後からつけている様な動きをしている黒いパーカーの人間に気付く。

あれで隠れているつもりなのだろうか。随分とずさんな尾行に、敢えて一般人を巻き込む危険性を減らす路地裏へと回り込む事が出来た。



そして、曲がり角を曲がった直後、振り返った兎角は相手の脚へとナイフを投げようと構えようと。


した時には、既に隣を通り過ぎた黒い影が、自分の頬に深い裂傷を作り出していた。


眼で捉えられぬ程の速度で動いたその影は、くちゃりとした音を立てながら、右手を舐る。


 麗亜「ん〜、意外と美味しい。ダルいの我慢して来た甲斐はあったかも」

 兎角「チッ」


ぱっくりと裂かれた頬からビリビリと痺れるような痛みを感じ、思わず眉を顰める。

夕暮れの中にチラリと見えたその少女は、着ている制服らしきソレを"分離"させながら、こちらに歩み寄って来る。

その分離したモノを凝視した時に見えたのは、蝙蝠。


 麗亜「あたしは黒須麗亜。吸血鬼なんだ〜、よろしく」

 兎角「吸血鬼、が、クロスか。冗談はよせよ」


裂かれた右側の頬から伝うようにして、兎角の身体をじわじわと麻痺毒が蝕んでいく。

口がまともに動かず、右の腕全体に力が入らない。


戦闘が始まる前から不利な状況ながらも、この不可思議な生物に対してナイフを握り、両者は交錯する。




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