過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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49: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/03/18(金) 23:56:23.94 ID:kKjkurPl0



砕け散った左腕が激しい痛みを発しても、ピクリとしか動かない右腕が力なく揺れても、まだ兎角は倒れる訳にはいかない。

帰りを待つ人は、居る。

必ず、彼女の元へ。


 兎角「分かった様な口ぶりで話すな、化け物。お前と似た奴を私は知ってる。」

麗亜「あははっ、吸血鬼の知り合いでもいたの?」

 兎角「ふざけた殺人鬼だ。」


口に咥えたナイフ、それを一気に首を振りぬくことで麗亜へと飛ばす。

だが、そんなものは気休め程度にしかならないだろうと、受ける側の麗亜も飛ばした側の兎角も理解していた。

だからこそ、その陰に控える"炎"を、麗亜は気付くのに遅れていた。


 兎角「お前はソレに似ている」


ねじ曲がった筈の腕を無理やりに動かし、拳銃の引き金を引いた。

連続して、二回。

正常ではない右手で放たれた正確な二撃は、一発目で放り投げられたライターを破壊し、二発目で内容物に火を点けた。

兎角自身、それは技術で撃った弾丸ではない。

激痛で感覚もほとんど麻痺している右腕を感覚だけで動かし、全て直感で行った一連の動作は。

全く同じ位置に二度弾丸を撃ち込むという神業を成し遂げた。





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