過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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6: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/01/01(金) 06:17:31.95 ID:LlP1D8Wk0
スーパーのアルバイトが一通り終わった。
東の方は、本当にアタシとニオがヤバいと思ったニタニタとした笑顔を浮かべていたが、それが意外と人が寄ってきていたようだ。
なんというか、傍目に見ても端正な顔立ちと凛とした佇まいの東が表情を崩すというギャップに惹かれていたんだろう。
主におばさん連中に人気があった様子だった。
本人はたちまち売り場のウィンナーが消えていくのを眺めながら、フッと小さく口元を綻ばせていた。
春紀「……よし。今日は、これで終わりか」
ニオ「お疲れ様です。痺れ、大丈夫ですか?」
春紀「今日は割と調子良いみたいだ。だから、何時ものところ寄って行ってもいいか?」
ニオ「冬香ちゃんも、今日はその日だって知ってたみたいですよ」
制服から着替え終えたアタシ達は、夕日が優しく降り注ぐアスファルトの道を歩いていた。
十二月の戦いで亡くなった人々は、纏めて同じ場所に弔う事にした。
この街の山を少し上がったところにある、静かな墓地。そこに、週に一度は弔いに来ている。
アスファルトの道が舗装もされていない獣道に差し掛かったところで、それまで無言だったニオが口を開く。
俯きがちな彼女は、
ニオ「……私、何時もこの日になると頭痛が激しくなるんです。前に病院に居た時とは比にならない位。」
春紀「そうだったのか。……無理にこなくていい、つってもな」
ニオ「はい。これは"走り鳰"の責任ですから。でも、この激しい頭痛に襲われてる時が……」
一番、救われている時だと。
そう口にした瞬間、何も存在していなかった畦道から飛び出してきた黒い影が、ニオの肩を擦れ違いざまに殴り付けた。
それも、素手などではなく、明らかに鈍器らしきものを握っていた。
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