過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
↓ 1- 覧 板 20
87: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/09/28(水) 06:52:29.74 ID:5CjnZX920
ドクドクと血管の脈動を感じ、次第に全身に寒気が襲い掛かってくる。
流れ出していく血液が自分のものだと自覚したのは、ちらと下を見やった時。
鳰「………そ、っスか。感謝、してるっス。こん、な、ウチを、拾って、くれて」
掠れるような声で呟き、ソレを変わらぬ表情のまま静かに見下ろす目一は、ちらと視線を一度横に向け、
手を上げると同時、拳を振り上げ目一へと肉薄していた春紀の腕が、家屋の二階から放たれた弾丸で撃ち抜かれた。
春紀「ッ、づァ!!」
目一「っ」
それでも、決して怯まない。ただでさえ、もう失血が激しい身体なのにも関わらず、鳰を撃った"敵"を殴るために反対側の拳を振りぬく。
その胆力と精神力には、さしもの目一ですら目を見張るモノがあった。
振りぬかれた拳をあっさりと首で避けた目一は、何かに満足したかの様に口元を歪め、もはや立つのすら困難な春紀の腿へ蹴りを放つ。
目一「……さて、寒河江春紀さん。貴女は本当に素晴らしい働きをしてくれたわ。それこそ、私の期待値を大きく超えた結果を残す位には」
春紀「う゜ッ、げほっ、げぼッ」
溢れ出す腹部の血は止まらず、蹴り飛ばされた右脚はガクガクと痙攣してまともに立つことが出来ない。
口から零れた血を地面に吐き出し、なんとか呼吸をする春紀の姿を眺め、目一は片手の拳銃を鳰に突きつけ、
目一「この子はまもなく死ぬ。そして貴女も、その様子なら後は無い。……そして、簡単な提案があります。
"貴女が私の新たな働き蜂"になりなさい。そうすれば、この子の命も、貴女の命も―――――ご家族の命も、保証しましょう」
春紀「……」
これ以上、手は残っていない。流石に、この状況を根性でどうにかしようなんて馬鹿げた事は考えない。
後少し。少しで、"罪"を一つ乗り越えられたというのに。………結局、罪の清算など出来ないというのか。
真昼「……オイ、目一。テメェ、何しゃしゃり出てきてんだァ!!!」
暫くの間、沈黙の渦中にあった真昼が目を血走らせて動き出し、凄まじい脚力で地を蹴り、右手に握った大鉈を目一の背中へと振り下ろす。
89Res/129.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。