37:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/05(火) 23:09:08.20 ID:s07CgCum0
「今日も早いのね吹雪ちゃん」
振り返るとネイビーのジャージに身を包んだ長身の男が歩いてきた。
その手にはバスケットが握らている。
「おはようございます司令官!」
「おはよう。良い挨拶、今日も元気いっぱいね」
小柄な吹雪が見上げると、長身の男はにっこりとほほ笑む。
吹雪の鎮守府の提督だ。
成人の、それも軍人を職業としている男としては柔らか過ぎる微笑みは、端正な顔立ちと相まって中性的に吹雪の目には映る。
彼の言葉づかいや仕草は柔らかであるが、鍛え抜かれた肉体がそれを必要以上に女性的には見せていない。
「あら、そのヘアゴム新しいのでしょう?」
「あ、はい!おかしくないでしょうか?」
「全然。素敵だわ。うん、とっても可愛らしいわよ」
頬に手を当てて嬉しそうに笑う。
この提督は吹雪達艦娘がおしゃれをしたり、楽しそうに歓談している姿を目にすると、こうして我が事のように喜ぶ。
「海のように深い優しさを持った方です」というのは朝潮の談。
「口うるさいオカンみたいだ」とは摩耶の談だ。
「いいわねぇ可愛い女の子は可愛いものが似合っちゃうんだもの。妬けちゃうわ」
「そんな、司令官もとっても凛々しくて、その新しいジャージの色もお似合いで」
「本当はピンクが良かったのよ。でも胸がきつくてね」
提督が溜息を吐く。胸というか胸筋というのが正しいのだろう。
可愛いものが好きと言うのに、鍛錬を怠らない提督を吹雪は不思議に思う。
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