過去ログ - 【十年後合同】10度目に立ち上がったその時に【デレマス・南条】
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11: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2016/01/07(木) 03:32:26.29 ID:mApX9qsv0
-あれから、数日が経った。

12月。今年も、冬のライダー映画が公開される。
もうMOVIE大戦という名前ではないけれど、2作品の掛け橋となる作品なのは相変わらずだ。
スケジュールの合間を縫って、映画館へ向かう。
今回は既に試写会で確認済だが、関係者としては現場に足を運ぶ必要はあった。
…それは体の良い言い訳で、ただ最初の晴れ舞台を劇場で見たいだけなのかもしれないけれど。

傍らには光もいる。関係者口を顔パスできるほど印象に残る顔だけに、変装はしている。
髪をポニーテールにまとめ、度の入っていない眼鏡を掛けた姿はいつもとかなり印象が変わっている。
でも僕に見せる笑顔はやっぱり光そのもので、普段と違う魅力も重なって僕はもうメロメロだ。
抱きつきたくなる衝動を必死で抑えながら、入場者プレゼントのゲームカードを受け取った。


関係者に必要な業務連絡を送るのと別に、あの日のことを10年来の付き合いになる千川ちひろに話したら、
喜ばれると同時に「女の子を待たせ過ぎです」と怒られた。
偶然仕事で再会した小関麗奈や的場梨沙には、「ようやくくっついたのか」と呆れ半分ながら祝福された。
どうも自分達の思った以上に僕らは奥手で、色恋に疎かったらしい。
まぁ、ずっと王道を外れてきたのだから、これくらいはおかしくもないか。
今となっては笑い話みたいなものだ。もし折れてたら、草加雅人もびっくりの歪み方をしたかもしれないけれど。


映画のラスト、スタッフロールが終わった直後。
1人の女性戦士が顔見せ的に登場し、今回の敵勢力の残党を生身のアクションで鮮やかに倒していく。
それは今後TV本編に登場し、新たなメイン格になる予定だ。
サブでも劇場版限定でもない、れっきとしたレギュラー。
そしてシリーズでも史上初になる、女性の2号ライダー。

パンフレットのキャスト欄には、南条姓でなくなった光の名前があった。
隣の席にいる光は泣きかけている。僕も涙が出そうだ。
こらえられず思わず光の手を握ると、やっぱりぎゅっと握り返してくれた。
多分この先も、何度見たって泣きそうになると思う。
撮影順では違っても、世に出た映像で光がこう映るのは、これが初めてだから。

「変身!」

映画館の大スクリーンには、夢を叶え、本当のヒーローになった光の姿が映っていた。

[END]


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