過去ログ - 結衣「うたかた花火」 【俺ガイル】
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63: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2016/04/13(水) 01:15:22.71 ID:ZBNG2Zf6o
 高三、三月。

卒業式も一週間後に迫ったある日。学校の廊下を歩いていると突然、ヒッキーに話しかけられた。

「少しいいか?」

その声音から、あたしはとうとうその時が来たのだと悟った。なのに、心のどこかでそれとは逆のことをまだ期待している自分がいて、そんな期待は傷をさらに広げるだけだと、そう言い聞かせた。

「うん」

なのに、それでも甘い何かを頭の中に残したままあたしはヒッキーの話を聞くことになった。

ふと、別の日の光景がフラッシュバックする。

遠い、ずっと遠い空の果てで、低くて大きい音が鳴り響く。

「ここじゃあれだから」

と、ヒッキーは上を指差す。

部室へ行こうという意味だ。

うなづくとヒッキーがあたしの横を通り抜けて階段へ向かって行った。

その後ろをついて行く。

一歩一歩、終りへと歩みを進める。



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