過去ログ - 【デレマス】アイ・キャン・フライ【スカイライダー】
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18: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2016/01/13(水) 02:32:42.66 ID:EDrx56iX0
…数分後。

幸子は遅れてウィンド・トンネルの前にやって来た。
口頭説明までは一緒だったが、もこもこした専用スーツを着るのに手間取ってしまったのだ。
結果、幸子とプロデューサーより先に例の青年がウィンド・トンネルの中に入っている。
もっとも、どのような感じで飛べるのかを知っておけるのは、悪いことではない。

(さて、お手並み拝見ですね)

輿水幸子に他人を下に見る趣味は一切ない。
自分に確たる自信がある以上、わざわざ他人の足を引っ張るようなことをする必要がないのである。
半端であれば自惚れと言えるそのスタンスも、徹底すれば一つの才能だ。
だからこそ、メッシュ状のトランポリンの上に立つこの青年のことも、全く偏見なく評価できる。

ガラス壁に包まれた青年は、インストラクターを付けず一人で立っていた。自信があるのか、あるいは無謀か。
やがて、空調機の音が響くと同時に装置内に空気の流れが生まれ、そして-


「すごいな…」

傍らにいるプロデューサーの漏らした呟きは、幸子の心象をも代弁していた。
スカイダイビングははじめて、と語った青年の空中姿勢は全く非の打ち所のない代物だったのだ。
姿勢維持から高度調整、さらにはアクロバット飛行まで見せている。
ガラス壁越しの光景は、それがたった2分で終わるものとは思えない充実したパフォーマンスだった。

「…素人技じゃねえぞコレ」

プロデューサーがまた賞賛の言葉を続ける。
だが、その瞬間に幸子は違和感を感じた。

(ん…今のは?)

2分の稼働時間が終わり、静かにトランポリンへと降下していくその時。
青年の表情が一瞬、しかし相当に険しい表情になっていたのだ。
直後に青年が無事着地する。起き上がった時に険しさはなくなっていたが、妙なしこりは残る。


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