過去ログ - 【デレマス】アイ・キャン・フライ【スカイライダー】
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◆oZuontUvSM
[sage saga]
2016/01/13(水) 02:34:47.58 ID:EDrx56iX0
「…あそこまで無理する必要ないからな」
「今は無理でも、あのレベルまで行きます!だってボクですから!」
目の前の光景を重荷にしないようにと、プロデューサーがフォローしてくる。
どうもプロデューサーは、あの表情が見えていなかったらしい。
だが幸子はそれを逆に制し、自分も高みを目指すと宣言した。
それは元より幸子のスタンスではあったが、いつも以上にその語気が強い。
「ボクのカワイイ姿をしっかり目に焼き付けてくださいね!」
もやもやした心の内を振り切るが如く、意図的にテンションを高める。
青年の出てきたトンネル内に入る覚悟はできていた。
そして1分後。
「おー、中々上手く体勢取れたな」
「ボ、ボクにかかれば余裕ですよ!」
一緒に飛ぶプロデューサーより低い高度で、幸子はやや不格好ながら安定姿勢を取っていた。
…ただし、インストラクターの手に掴まれながら。
曲がりなりにもスカイダイビング経験があるとはいえ、まだタンデム飛行が1回だけ。
しかも、半分目をつぶっているような状態でのことだ。
自力での姿勢制御ははじめて同然である以上、ノートでまとめた内容程度では限界はある。
ガラス壁の向こうに目を向けると、あの青年がプロデューサーの持っていたビデオカメラでこちらを撮っている。
おそらく、一緒に飛んでいる姿を撮るために頼んだのだろう。
爽やかな笑顔に嘲りの色はないが、それでもあのようなパフォーマンスした相手にこんな飛び方しか見せられないのが悔しい。
「はーい、手を離しますよー」
「え?ちょっ…フギャー!?」
トランポリン上に立つインストラクターの声に焦り、思わず身をよじる。
そして手を離した瞬間、体勢の崩れた幸子の身体は天井寸前まですっ飛んで行った。
これが本当の空だったら大変なことになっただろう。
そして、それ以上にこの光景をカメラに撮られている事実が、幸子の心に火を点けた。
失敗を後悔する気はないが、それでも失敗を塗り替えるなら、最終的に成功させてしまうしかない。
(こうなったら絶対、空から舞い降りる演出を成功させますからね!!)
飛行時間の2分を終え、空気の流れが弱まる。
ノートの走り書きのおかげか、着地は無様にならずに済んだが、
体勢が違うことから青年が何を見て表情を変えたかはわからなかった。
だが今はそれ以上に、本番での成功に向け新たな熱意が幸子に宿っていた。
…スカイダイビング本番まで、あと3週間。
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