過去ログ - 【デレマス】アイ・キャン・フライ【スカイライダー】
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7: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2016/01/09(土) 03:08:07.85 ID:nHiGae130
「びび、びっくりさせないでくださいよ!と、飛ばないならここ、こんなところに来る必要ないじゃないですか!」

「いや、飛ばすのは本気だぞ?ただ、すぐ単独飛行ってのはさすがに無理なんだわ。
 細かいことは後で説明するけど、少なくともパラシュートの開き方知った程度じゃダメなの」

飛ばない、という選択肢がないことに焦りながらも、幸子は少しばかり安堵した。
今すぐ飛ぶ必要はないなら、このままヘリに乗ったまま帰れるのではないか。

が、そんな甘い希望は5秒ほどで打ち砕かれた。

「…ということで今からタンデム飛行な。すいません、準備お願いしまーす」

「ふ、ふへっ!?」

声にならない悲鳴を上げている間にも、単独飛行用パラシュートが手際よく外され、
同時にパラシュートを背負ったインストラクターがハーネスで幸子の背後から身体を固定し始めている。
いきなりこの場に連れてこられた幸子は、単独では無理でも2人セットなら即日でも飛べることを知らなかったのだ。

「ププ、プロデューサーさん!か、代わってあげてもいいんですよ!?ボクは優しいので!」

「いや、代わるもなんもオレも飛ぶぞ」

「へ…?」

「だって面白そうじゃん。そう簡単にできることでもないし」

平然と答える様に、幸子はみるみる内に顔を青ざめさせた。
その間にも、プロデューサーは幸子よりも先にタンデム飛行の準備を整え終えている。

「じゃ、準備できたら幸子も来いよ!幸子が飛ぶまでヘリ降ろさないから!」

「ちょ、あっ、プロデューサーああぁぁ…」

手を伸ばす幸子に手を振り、プロデューサーは先に機内から飛び降りていく。
同時に、最後の手段-インストラクター共々引きこもって降りるまで粘る-もポッキリ折られる。
もはや逃げ場などないことを悟った幸子は、意を決してヘリコプターの乗降口に自ら足を掛けた。



-輿水幸子、14歳。職業・アイドル。
これが人生初のスカイダイビングであった。
天候は恵まれた快晴だったが、この日の空の景色は後の記憶には残っていないという。


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