15:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/11(月) 03:24:34.83 ID:AHiYG1PX0
コーヒーを啜る。湯気が頬を湿らせる。
……いえ、いえ、勿論そんなことのためにアイドルをがんばっていたわけじゃありませんけど……か、欠片くらいはあったのかもしれませんけど。
少なくとも、私の自覚はとても遅かった。
気づいた時はもう、アイドルではなくなってて、彼と一緒にいる理由なんてなくなっていました。
周りの景色はどんどんと移り変わっていって、いつも私を置いてけぼりにしていきます。
何も変わってないという、彼女の言葉を頭の中で反芻します。
変わらないものなんて、ないですし。
もし、何も変わらなくていいと言うのなら私はそれがいい。
変わらず彼のお手伝いをして、コーヒーを入れていたい。
ふと思い出して、自分の鞄の中から大きなスケッチブックを取り出します。
無造作に開いたページの中では、森の動物達が仲良く演奏会をしている。
繰り返す日々の中私が一つだけ、少しずつ積み重ねてきたもの。
このお話の続きはどうしよう。
暖かくて優しいお話になって欲しい。
いつか、物語の途中に入れようとしていたウサギとオオカミの恋のお話は、行間の中に隠れてしまっていました。
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