過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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◆cZ/h8axXSU
[saga]
2016/01/11(月) 02:11:41.89 ID:X2ffE8rP0
……
帰り道
適当に買い物を済ませて帰路に着くことにしたが、やはり先の事が気がかりになる
当然、詮索することはいくらなんでも相手に対して配慮が無い行動だが、そこは廻り合わせてしまうもの
偶然にも、テリアは話に聞いていた一軒の家の目の前に来てしまっていた
あの単眼の彼女が住んでいるという家だ
オンボロの平屋は、柱が軋み、壁は剥がれ煙突は崩れている
いかにも"何か"が出そうなその出で立ちは、見る者を身震いさせるだろう
城下町にまだこんな古屋があるのかと吐き捨てればそれまでだが、やはり気になるものは気になる
好奇心が勝ってしまった彼女は、つい……悪い事だと理解していても、窓の中を覗き見てしまった
詐欺師の顔を一目見てやろうと、余計な行動を起こして……
目の前に広がっていたのは、思った通り外装と何ら変わりはないくたびれた室内
掃除自体はされているのか、見た目の割には汚くはないが、やはり清潔感は見られない
その部屋には、ベッドに座る老人の姿があった
あの男が詐欺師なのだろうか、病弱という割には血色も良く、今はスープを飲んでいる
やはり彼女は騙されているのか?と考えを巡らせていく
飲んでいたスープの皿を近くの机に置くと老人は、壁に掛けられていた剣を眺め始めた
その眼はまるで、若かりし頃に戻ったかのような眼差しだった
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