過去ログ - 黒髪少女「武器の手入れをお願いします」単眼少女「……」
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8: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2016/01/11(月) 01:59:08.55 ID:X2ffE8rP0
……


残された単眼の彼女は、あの客の言葉にとても暖かいものを感じていた

自分を必要としてくれる人が現れたのだ、こんなに嬉しいことはない

手渡されたその代金の重みを確かめ、ささやかな笑みを浮かべる


「おいアンタ!何してんだい!」


けたたましい声にビクリと体を震わせ、彼女は後ろを振り向いた

不機嫌そうに現れたのはこの店の女店主

単眼の彼女の手元を確認すると、ふんだくるかのように売り上げを掠め取った


「アンタが触るんじゃないよ、ったく……物欲しそうな顔で金を見つめやがって。ほれ、これが今日のアンタの取り分だよ」

「……」

「不満そうな顔しやがって……今日は店仕舞いだ、とっとと後片付けして帰りな!!化け物!!」


辛辣な物言いに泣きたいその気持ちを抑えながら、単眼の彼女は後片付けを始める

手渡された給料はあまりにも軽すぎる

どうして機嫌を損ねているのかは分からないが、ともかくこの店主は底意地の悪い性格をしている

元々、この店自体がこの店主のいい加減な接客態度であまりいい評判が無かったのだが、偶然にも格安で鍛冶師が雇えるチャンスに巡り合えた

ここで再起しようと一か八かの賭けで、修理も承るようになった

そして、現在は噂が広まるほどには経営回復に成功した……のだが

そう、言ってしまえばこの店が有名になったのは、単眼の彼女のおかげである

しかし、あまりに有名になり過ぎてしまいそれが気に入らなかったのか、店主は彼女を目の敵にするようになった

自分から立案しておいて、尚且つ彼女でこの店が持っているようなものであるにもかかわらず、あんまりな待遇である

片付けを終え、ショーケースに飾られた美しい武器の数々を目の前に強く手を握りしめ、店を後にする

こんな状況にあっても彼女は一言も文句を言わずに、毎日黙々と仕事を続けている

何故彼女はこんな場所で働き続けるのか

何か考えがあっての事なのか、それとも……




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