過去ログ - 【けいおん!】灰色グレーを味方につけて。
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以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
2016/01/15(金) 00:10:23.42 ID:9Umu7GdaO
後日、気絶した私を誕生日席に座らせたまま行われたけいおん部の誕生日会の様子を、律がおもしろおかしく写真を見せながら話してくれた。
「なんかさ、最近気になってるんだけど」
「ん? なんだよ」
「澪、右耳さわるクセなんかあったっけ?」
律に指摘されて、私は初めて自分が無意識に自分の右耳をさわっていることに気がついた。
それからことあるごとに私は右耳を無意識にさわっていて、終いにはムギからも「ふふ、澪ちゃんそんなに嬉しかったの?」だなんて言われてしまった。
われながら、簡単なやつだなんて思ってしまう。
ちなみに、続きはまだ今のところ行われていなくて、ムギはどういうつもりだったんだ、私とのことは遊びだったのかとなんだか恋する乙女チックなことを思いつつ、もう忘れかけそうになってしまっている耳に残るムギの感触だとかをなんとか思い出しながら、私はとてももどかしい思いをしている。
ムギからはプレゼントは他にもらったけど(可愛らしい外国製の香水)、無意識に右耳をさわってしまうクセが、ムギからもらった特別なもののように思われて、私は右耳にふれるたび、あの日、私の声に応えるように現れたヒーローみたいな、でも、ヒーローではなくて、灰色の、ムギの姿と耳へのキスを思い出して、今度は私からやり返してやろう、と、スッカリ灰色に魅せられたこの胸の内に誓うのだった。
おわり
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