過去ログ - 元提督「ホームレスになったった」
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179: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:20:59.95 ID:HDvwhY9+O
鍵を開けると翔鶴はまず俺の手に手錠を打った。
「申し訳ありません。規則でして……」
「構うな。行こう」
180: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:21:41.37 ID:HDvwhY9+O
一際立派な執務室の扉の前でしばらく待たされてから、入る。
「おぉ来たか」
「お久しぶりです、提督」
181: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:22:36.95 ID:HDvwhY9+O
「手錠、外してやりなよ」
翔鶴は俺の手錠の鍵を開けてくれるとそのまま退出しようとした。
182: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:23:19.17 ID:HDvwhY9+O
この人はいつもこうだった。普段は言葉数も少なく飄々としているが、なにかスイッチが入ると笑い上戸になったりおしゃべりになったり……
「ひどい顔じゃないか。ちゃんと迎えろって言ったのに全く……」
「いいえ、充分に丁寧な扱いを受けました」
183: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:24:03.41 ID:HDvwhY9+O
軽く俺の方に掲げてくる。
飲むか? ということだろう。本当だったら飲みたいところだけど、あんな見るからに高級品は恐れ多い。
首を横に振る。
次に翔鶴の方にもボトルを見せた。
184: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:25:00.15 ID:HDvwhY9+O
「君は何から聞きたい?」
「何から、と言いますと……」
185: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:26:04.86 ID:HDvwhY9+O
「しかし、彼女は大いなる戦果をあげた。私はできるなら、今回のことは見なかったことにしたい。それほどの価値があることを加賀はやった。しかし罰は与えなければならない。だから彼女を罰した。ただし彼女の活躍を考慮して減刑した」
「具体的には?」
「禁固一週間。軍法会議ではそれで異論なかった」
186: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:26:45.48 ID:HDvwhY9+O
「しかし君の方は簡単にはいかなかった」
中将がまた笑顔になる。
「加賀はまだ軍属だから鎮守府軍法会議の中で収めることができた。だけど君は民間人だ。内務省のやつらがやいのやいのとまぁ……」
187: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:27:40.19 ID:HDvwhY9+O
「再就職のアテ、あるかい?」
「見つけます」
「今の時期は大変だろう。どうかな、海軍に戻るというのは」
188: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:28:21.15 ID:HDvwhY9+O
しばらくの間。
「すっかり私が話してしまったね。他に聞きたいことはあるかな?」
「艦娘の深海棲艦化についてはどれほど研究が?」
189: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/13(土) 21:29:12.13 ID:HDvwhY9+O
中将はメモ用紙になにか書いてこっちに差し出した。
「これは機密じゃないし近々発表することだ。我々は今回のあの空母棲鬼の出現を受けて、深海棲艦に新たなカテゴリーを設けることにした」
メモ用紙には几帳面な字で“棲姫”と書かれてる。
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