過去ログ - 元提督「ホームレスになったった」
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82:名無しNIPPER[sage]
2016/01/28(木) 08:29:05.74 ID:pleiuEDRo

案外早いお出ましだな


83: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:08:47.56 ID:rab1uZB0O
それは砲撃というより銃撃の音だ。短機関銃をフルオートマティックで撃ったような音。できれば耳を塞いでいたくなる。
視線を外しても視界の端にマズルフラッシンがちらちらと映りこむ。

迫る敵艦載機が煙をあげて二機、三機と落ちていくのがわかる。
けれどもあの数なら雷撃が来る前にいくら落とせるか……
以下略



84: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:09:28.76 ID:rab1uZB0O
五十鈴が叫んだ。

「雷撃、来ます! 散会して!」

あれほどの艦載機から落とされる雷撃は艦隊にどれほどのダメージになるのか。
以下略



85: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:10:03.55 ID:rab1uZB0O
魚雷はよく狙って放たれたらしく、雷跡は俺たちの所には全く来ない。

爆音。魚雷は命中こそしなかったが、衝撃の余波は凄まじかった。
ボートは傾き、俺も水面に叩きつけられる。最後に見えたのは、矢を放ち、走り出す加賀だった。



86: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:10:38.60 ID:rab1uZB0O
どれほど時間が経ったのかわからない。たぶん大した時間ではないだろう。

それよりも感じたのは息苦しさだった。空気を吸おうと大きく口を開けると大量の水が気管に流れ込み、余計に苦しくなる。

水の中だ。そう思った時にはもう首から上が海面に出ていた。
以下略



87: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:11:09.75 ID:rab1uZB0O
もう敵艦載機の姿は見えなかった。
つい今しがたまで対空射撃していたのが嘘のような静けさだ。

第二艦隊は?
通常であれば砲雷撃戦に移行する。
以下略



88: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:11:48.06 ID:rab1uZB0O
ボートに登るとこちらに戻ってくる二人の姿が見えた。
口の中がさっと乾く。

加賀は目立って損傷はないが、瑞鶴の肩に片腕を載せてだらりと垂らしている。
瑞鶴の方もひどい。飛行甲板は割れ、艤装も所々で破れている。彼女も大破か。
以下略



89: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:12:28.18 ID:rab1uZB0O
もう潮時だ。加賀もダメージを受けた以上は入渠と補給の必要がある。
それに俺自身も諦めがついた。一度やれば失敗しても少しはすっきりする。無茶なことだったんだ。

瑞鶴は船尾からひらりとボートに登ってきて、舵の隣のシートに加賀を横たえた。

以下略



90: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:13:12.95 ID:rab1uZB0O
「加賀さんを返して……」

「あぁ、大丈夫。誘拐とかする気じゃあ……」

「違う! 元の加賀さんを返して! 私が大好きな加賀さんを返して!」
以下略



91: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:13:52.96 ID:rab1uZB0O
「加賀さんはいっつも言ってたの。五航戦なんかと一緒にしないでって。でも本当に私と翔鶴姉のことを嫌ってたわけじゃないの。私の出来がどれほど悪くても、絶対に見捨てないで指導してくれた。結局いつも私のことを気遣ってくれてたの」

「意外だな。あいつ、嫌味しか言わないと思ってたよ」

「ちょっと不器用な人だから」
以下略



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