過去ログ - 元提督「ホームレスになったった」
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92: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:14:30.11 ID:rab1uZB0O
「私たちの提督さんは、きっとそんなことしたがらない。優しい人だから。でもあの人の意向が海軍の意向じゃないから……それにもし私たちが沈めても、加賀さんは納得しないはずよ」
「そんなこと言っても敵うわけない。さっきの見ただろ。加賀だけじゃ無理だ」
「加賀さんはきっと勝つ。一航戦は絶対に負けないの!」
93: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:15:23.12 ID:rab1uZB0O
「黙れ! 知ったような口をきくな!」
すぐに冷静になった。バカなことをした。女の子相手にキレるとは情けない。
ため息が漏れた。
94: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:16:03.00 ID:rab1uZB0O
「お願い。あの日と決着をつけて。そうすれば、加賀さんは戻ってくる」
俺は目をそらして立ち上がった。
女の子に諭され説教されというのが恥ずかしかった。
95: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/02(火) 02:16:33.72 ID:rab1uZB0O
「艦隊に戻れ。尋問されてたと言ってごまかすんだ」
瑞鶴は信頼していいのかどうかわからないという顔だ。
「行け。お前の加賀は、きっと帰ってくるよ」
96:名無しNIPPER[sage]
2016/02/02(火) 04:41:53.90 ID:/XZSRIn7o
おつ
97: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/08(月) 16:21:38.85 ID:2am+6KEjO
「今日は暖かいですね」
赤城は片手を顔の上にかざして空を見ていた。
「そうだな。昨日まであんなに風が冷たかったのに……」
98: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/08(月) 16:22:57.81 ID:2am+6KEjO
空に目を向けた赤城の横顔はいつになく幼く見えた。
どうしてこんな子が一線に出なくてはいけない? 本来だったら大学にでもやるべきだ。
「赤城」
99: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/08(月) 16:23:49.89 ID:2am+6KEjO
赤城はぽかんとしてこちらを見た。
「そんな……私と……」
「いやだったかい?」
100: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/08(月) 16:24:39.28 ID:2am+6KEjO
冷たく、平坦な声。俺はそれでも頷いた。
「ならどうして、あの時退かなかったんですか? あなたが退けば私も生きて帰れたのに……」
「違う……」
101: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/08(月) 16:25:14.28 ID:2am+6KEjO
自分の声で目が覚めた。目を開けたが視界は黒いままだ。
上体を起こしてやっと自分がどこにいるのか思い出した。
東京港の保税倉庫。
102: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2016/02/08(月) 16:25:54.86 ID:2am+6KEjO
ただ波の音だけが聞こえる。それが今日の出来事をまた再生する。そしてさっきの夢。
赤城は怒っているのだろうか? そんなことはどうでもいい。
彼女をいつまでも戦場に放るのに耐えられなくて一緒になることを持ちかけたのに、彼女は俺のせいで死んだのだ。
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