15:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:48:40.27 ID:dk78gRdd0
これほどの想いが受け入れられないと分かれば、自分の心臓は止まってしまうかもしれない。
咲に生殺与奪の権を握られた和は、彼女がどこに車を走らせているかも聞けずに黙って息苦しさに耐えていた。
咲「寒い?」
咲の声にびくりと体が跳ねて、誤魔化すように大きめの声で返事をした。
和「いえ…大丈夫です」
咲「そう?震えてるみたいだったから」
片手を動かしてエアコンのスイッチを操作する咲の横顔を眺める。
頬の肉が薄くなったものの、こうして見ればあの頃とさほど変わらないようにも見えた。
15歳の彼女が夏の空と共に脳裡にふわりと現れる。
目の前の横顔と重なって思い出せないと半ば諦めていた、
あの頃の彼女の表情が見えた気がして和は思わず目を閉じた。
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