4:名無しNIPPER[saga]
2016/01/20(水) 22:18:42.09 ID:dk78gRdd0
あの書棚は彼女への想いの墓標だ。
弔いに投げ込む本を、和はこうして選んでそこへ運ぶ。
探し当てた一冊だけを手にして会計へ向かう途中、新刊の積まれた平台が目に入った。
掲げられたポスターに大きく書かれた名前は確か彼女が特に好んでいた作家のものだ。
近付いて手に取ると、すぐ隣の山から同じ本を取り上げる白い手が見えた。
記憶の中の手と重なって、思わず目線を上げる。
咲「…和ちゃん?」
和の視線が口許に辿り着いたのと同時に名を呼ばれて、
頭を強く揺さ振られたような衝撃に慄いたのは一瞬。
眩暈を堪えて、彼女の名前を呼んで返した。
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