3:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:05:56.85 ID:dSk6orwwo
P「しばらく芝居の仕事は無いな。寂しくないか?」
貴音「そうですね、少し寂しいです。演じるというのは、とても興味深いもの。
出来ることなら、いつでもしていたいと思います」
4:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:06:26.17 ID:dSk6orwwo
P「主演舞台の話が来ててさ。オーディションがあるんだけど、日程が決まってなくて」
わたくしにとって、舞台の主演はいつか成し遂げたいと思っていたものでした。
夢が近づいていることに、身震いしてしまいます。
5:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:07:00.83 ID:dSk6orwwo
着替えを終え控室から出て、廊下で「きょうは歩いて帰ります」と伝えると、
プロデューサーは驚いた顔をしていました。
P「どこか寄ってくところがあるのか? この辺、観光地だし」
6:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:07:37.94 ID:dSk6orwwo
P「ああ、合ってる。ジンクスならしょうがないな」
関係者用出口まで送るよ、とプロデューサーが仰います。
電車代、と言って、わたくしの手に千円札を握らせてくれました。
7:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:08:09.32 ID:dSk6orwwo
P「じゃっ。また明日な」
地下駐車場へ続く階段へ向かうプロデューサーに、わたくしは静かに手を振りました。
ありがとうございます、と。
8:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:08:37.41 ID:dSk6orwwo
人生の無駄を精算する、生涯最後の一時
――それが、ロス:タイム:ライフ
9:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:09:17.88 ID:dSk6orwwo
夕暮れの街には心地よい海風が吹いていました。
貴音「……美しい」
10:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:09:47.55 ID:dSk6orwwo
そのとき。
目の前を歩いていた女性に黒色の服を着た男が近寄っていきました。
女「っ!? ひ、ひったくり! だ、誰か!」
11:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:10:29.27 ID:dSk6orwwo
もたもたと走る男に、わたくしは追いつける自信がありました。
男を捕らえ、鞄を取り返す。頭の中で”しみゅれーと”が出来ていたのです。
男「クソッ!」
12:名無しNIPPER
2016/01/22(金) 00:10:54.95 ID:dSk6orwwo
しかし、男が隠し持っていた刃物までは”しみゅれーと”することが出来ませんでした。
懐から折りたたみ式のナイフを取り出すと、男は強引に手を振り払い、わたくしの腹部に刃を突き立てました。
貴音「ッ!」
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