過去ログ - 神様「勇者も魔王もいなくなった世界で」
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42: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2016/01/25(月) 18:45:00.94 ID:NxiNJv/e0
神様「やはり当事者達は自覚がないようですね」

僧侶「自覚…?」

神様「彼女は気付いたのですよ。自分はずっと、人々から都合良く操られていただけの“人形”だったと」

戦士「!!」

魔法使い「そ、そんなわけないじゃない!」

神様「人形でないなら何なのでしょうね? 勇者の子孫だというだけで勇者に祭り上げられ、命懸けの戦いを強いられる人間のリーダー…。いや、所詮シンボルですね『勇者』とは」

僧侶「…っ」

神様「しかも、そのシンボルも意味のないものだった。だってシンボルを失っても両種族は争いの手を緩めず戦い続けた…それだけ戦意が衰えぬなら、シンボルなど不要でしょう?」

戦士「それは……」

魔法使い「…そういう所が無かったと言えば嘘になるわ。だけど! 私達は勇者の仲間だった!」

神様「…ほう?」

魔法使い「思い出してよ、勇者! 私達の間で生まれた絆は、決して嘘じゃなかったでしょう!!」

少女「…それを踏まえても」

魔法使い「……え?」

少女「私は、彼に“記憶を消すこと”を願ったのです」

戦士「何だと……」

魔法使い「嘘だよ! 勇者はそいつに騙されて……」

神様「もう、いいではないですか」

神はゆっくりと歩き、少女の手を取った。

神様「新しいシンボルでも立てて、勝手に争いを続ければ良いでしょう。私達はこの下らない世界からさようならします」

そう言うと神の手にはドアが現れ――

魔法使い「勇者ぁ――っ!!」

ドアの向こうに、2人は消えて行った。




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