17:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:03:39.83 ID:Ytvevcy40
さて、彼が6を嫌う理由は前述の通りだが、僕が6を嫌う理由は、また別にある。
いや、というか、逆だ。
『6』が、僕を嫌っているのだ。
テストの六問目は大体不正解。
6つの中から選んだケーキは、僕のだけ腐っていた。
18:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:04:28.28 ID:Ytvevcy40
『59』
今の僕には、絵画がそう見えた。
いまだこの異常事態の手がかりは一切掴めていない。
19:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:05:15.40 ID:Ytvevcy40
どうやってどうすればいいんだよこんなの。
確かループ一回目に、漫画や小説なら。とか言ったけれど、僕はループ物の作品は一つ(素敵な選TAXI)しか知らない。
こんなことになるならもっと色々読み漁れば良かった。
少し早いが、ギブアップだ。諦めよう。
そもそも、こんな役は僕には向いていない。
20:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:06:12.76 ID:Ytvevcy40
「………ヒントをくれ。僕にはループ物の定石が解らない」
「まずお前はどこにいる?」
「駅だ。あの変な絵画のある駅」
「あぁ、あのロールシャッハの」
なにやら彼がまた変な言葉を言ったが、今は時間がないので説明はまた今度してもらおう。
21:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:07:21.90 ID:Ytvevcy40
「地道だが、しらみつぶしに行くのがいいと思うぞ。駅に居る一人一人、一回ごとに観察して」
「……それも、無理だ。多分回数制限がある。後59回」
「マジか。なかなか珍しいタイプのループだな。回数制限がある奴は……サイケとか展開を見る限り、回数制限が出来てそうだが、他には……」
「時間がないんだよ!僕の知らない漫画の話は後にしてくれ!」
「ごめんすまん………ん?17:59って電車の来る時間か?」
22:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:08:18.72 ID:Ytvevcy40
「だから。電車が来たことによって、何かしらのトラブルが起きてるんだよ。多分。ちょっと線路の方見てみ?何か落ちてたりしてないか?人間とか」
「んなもん落ちてたら大騒ぎだろ。すぐに解る」
僕は、駅のアナウンスに逆らい、黄色い線の外側に身を乗り出した。
線路を見ても、特に何もない。
「やっぱり、何もないけど」
23:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:09:08.32 ID:Ytvevcy40
………解るかあんな終了間際の一瞬で。
再度ライフライン。
絵画は『58』になっていた。
「ループの理由が解った。前方不注意だ」
「は?何が?」
24:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:09:53.96 ID:Ytvevcy40
「…………何ですか」
女性が少し警戒した声を出す
「えっと、もう少し下がったらどうでしょう。線路に近いと危ないですよ」
「………はぁ」
女性は、僕の言う通りに一歩下がった。
25:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:10:48.61 ID:Ytvevcy40
ヒントをくれた彼に、今度ジュースを奢ってやろう。
きっと彼はキョトンとした顔で図々しく受け取るだろう。
電車の向かって来る音が聞こえる。
さて、お家に帰るとしよう。
26:名無しNIPPER
2016/01/27(水) 01:11:37.05 ID:Ytvevcy40
「…………何ですか」
女性が少し警戒した声を出す
「えっと、もう少し下がったらどうでしょう。線路に近いと危ないですよ」
「………はぁ」
女性は、僕の言う通りに一歩下がった。
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