過去ログ - 【モバマスSS】Be My…
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4: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/01/26(火) 00:39:50.03 ID:RfB0zBMr0



ふとスマホの液晶に目をやると、プロデューサーからラインの通知が届いていた。
悴んだ指で暗証番号を入力しアプリを起動する。
内容は大した事ではない様で、遅くまで付き合わせてしまってすみません、気を付けで帰って下さいねとの事だった。
どちらかと言えば此方が仕事中にお喋りに付き合わせてしまっていたので申し訳なくなってしまう。


『此方こそ、お仕事の邪魔をしてしまってスミマセン。お仕事頑張って下さいね』


当たり障りの無い返事を入力し、送信ボタンに指を当てる。
途中で指がぶれてしまい上手く文章を作れなかったけれど、少しずつ自由を取り戻してきた。
見れば、一瞬にして既読が着いていた。
返信、待っていてくれたのかしら?
柄にもなく嬉しくなってしまう。
反面、仕事はちゃんとやっているのかと不安になるけれど。


『ほぼ終わっていたので問題ありませんよ』


ダウト。
プロデューサーの机の上の書類の山がそんなに早く消化されている筈がない。
今頃ヒーヒー言いながら真っ白の書類と格闘しているに違いない。
そのくらい、付き合いの長い私ならすぐに分かる。


ほんと、優しい人…


『ありがとうございます。では、また明日』


そう送信し、液晶を消す。
丁度、電車が駅へと到着した所だった。
強い風が髪とコートを激しく揺らす。
折角地下であったかいのにこれでは地上と変わらない。
これさえなければ、地下鉄をもっと好きになれるのに。


けれど。
気付けば寒さも指の悴みも、完全に溶けきっていた。





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