100:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/06(土) 20:13:07.52 ID:CvUFAC73O
哀「......そう。私は彼と結婚したの」
歩美「!!」
驚いている。無理も無い。どれ程のショックか想像もつかない。しかし、私の口は彼女に更に残酷な真実を突き付ける。
哀「数年前、私は彼と結婚した。あなた方と別れる少し前に、私は彼と思いを通じる事が出来た。そして、トラブルが解決した時。私達はあなた方に黙って姿を消した」
歩美「......」
哀「あなた方はまだ小さかったし、とても私達の現状を理解出来ないと思ったから。思いを伝えるのを躊躇して、そのまま姿を消してしまった」
歩美「......」
表情から感情が分からない。あなたは今、私の話に何を思ってるの......?
怖い。怖いけど......。言わなくちゃ......。
哀「ごめんなさい、今更こんな事を言って。本当は分かってるの。あの時本当はせめてあなたには真実を伝えるべきだったと」
哀「彼を深く愛していたあなたには、真実を伝えるべきだったって。でも私は黙って逃げて。あなたの想いを知っていながら彼を愛して結婚した」
哀「理由はどうあれ、親友であるあなたを私は裏切った。あなたの彼への愛は小学生と言う年齢を遥かに越えた深いものだった。それを私は踏みにじった」
哀「決して許される事では無いと思ってる。今更ノコノコとあなたの前に現れた事も。謝って済む話では無いけれど、せめて謝ろうと今日ここに来たの」
哀「ごめんなさい......。許してなんて言わない。本当に、ごめんなさい......」
そう。許して貰える筈が無い。
私は親友の想いを知りながら、自分可愛さに裏切ったのだ。
それを分かっていながら、余りの幸せに目を背けて来た。
どんなに罵られても、殴られても足りるものでは無い。でも、愚かな私に出来る事は頭を下げ謝る位しか出来ない。
己の弱さと情けなさを、これ程恥じた事は無い。
せめて放たれる怒りを全て受け止めようと身構えた私に、彼女から放たれた言葉は余りに......意外な物だった。
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