50:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/31(日) 01:04:22.79 ID:ilgQ2/EwO
新一「だから、過去に触れるのも怖くなっちまった。昔、哀に運命から逃げるなと言ったのに。俺は逃げたんだ。最低だよな......」
哀「......そんな事、無いわ」
......薄々はずっと感じていたのかも知れない。
お互いの抱えるわだかまりを。しかし、触れられなかった。
お互いを失うのを恐れるあまり、現実から眼を逸らしてしまった。
愛しすぎた事が、逆に互いを苦しめてしまったのか......。
その後、暫し沈黙が続いた。
このまま胸の内を吐き出して、はいおしまいとは行かない。
これからどうするか。それを考えていた。恐らく彼も。
重たい空気を変えたくて彼に声をかけようとした時、彼が思いもよらない事を口にした。
新一「なあ、哀。行ってみようか。米花町へ」
哀「え......?」
新一「今、ずっと考えていた。これからどうするか。考えても考えても悩んじまうから、違う事を考えた」
新一「俺は今、何がしたいのかってな。そしたらすぐ答えが出たよ」
哀「......何?あなたのしたい事って」
新一「俺の望みはサッカー選手としての栄光でも金でも名声でも無い。ただ目の前の哀の笑顔が見たい。それだけなんだ」
哀「!」
新一「俺のしたい事はただそれだけ。ならそれを実現するには方法は1つ。悩みの元凶に。過去にケリをつけるしかねぇ」
新一「過去が哀から笑顔を奪うなら、苦しませるなら、それを取り除くしかない。ほったらかしには出来ないんだ」
新一「なら、その原因のある米花町へ行くしかねぇ。行っても解決出来るか分からない。もしかしたらお互い更に傷付くだけかも知れない」
新一「あるいは自分がスッキリしたいだけかも知れない。でも......」
新一「俺には哀と生きる以外の選択肢は無い。だから、この先を2人で生きるために過去と闘うしかない。そう思うんだ」
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