過去ログ - 【艦これ】鳳翔さんは料理ができない
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2016/01/30(土) 09:03:33.91 ID:DfxtY85aO
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23:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 00:26:36.34 ID:ExJyvr1Wo
 「鳳翔さんのような人に憧れる、と。そう言われたのです」 
  
 その言葉に、黙って耳を傾ける。 
 物憂げな表情だった。 
  
24:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 00:30:01.99 ID:ExJyvr1Wo
 私はそれを聞いて、思わず顔を伏せた。 
 何も感涙したわけではない。 
 ただただ、彼女の「大きさ」に笑みがこぼれた。 
  
 「ははは」 
25:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 00:35:11.13 ID:ExJyvr1Wo
 「お前もただの人間なのだな」 
  
 引き上がった口角を緩め、なんとか真面目な顔を作る。 
 このように涙目で抗議されては、からかうわけにもいかないのだ。 
  
26:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 00:42:45.07 ID:ExJyvr1Wo
 「鳳翔は、もっと凛としているものだとばかり思っていた」 
  
 私がそう告げると、彼女は悲しげに目を伏せる。 
 その所作のひとつひとつに、等身大の人間らしさを感じられる。 
  
27:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 00:48:46.58 ID:ExJyvr1Wo
 こんな状況に置かれても、あの鳳翔なら一人で解決してしまう。 
 だがこの鳳翔は、どうやら手のかかる存在らしい。 
  
 「私が料理の心得を教えてやろう」 
  
28:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 01:05:02.12 ID:ExJyvr1Wo
 「では鳳翔。包丁の使い方はわかるな」 
  
 「猫だと聞きました」 
  
 猫。 
29:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 01:15:42.39 ID:ExJyvr1Wo
 互いに笑い終え、鳳翔に再び問うた。 
  
 「ではここにある葱を切ってみろ」 
  
 「はい」 
30:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 01:25:42.52 ID:ExJyvr1Wo
 「独創的だな」 
  
 思わず口から漏れた言葉はそれだった。 
 まさか葱を縦に切ろうとは。 
  
31:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 01:42:31.93 ID:ExJyvr1Wo
 縦に一刀両断された哀れな葱をまな板に横たわらせ、鳳翔は頷いた。 
 何に納得がいったのかはさっぱり理解ができなかった。 
  
 やはり手本を見せるべきではないか。 
 私はそこらにある林檎を手にとった。 
32:名無しNIPPER
2016/01/31(日) 01:54:55.28 ID:ExJyvr1Wo
 「ほう……」 
  
 まだ構えただけだというのに。 
 気分が高翌揚したのか、鳳翔は食い入るような視線をぶつけてくる。 
  
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