過去ログ - 【艦これ】鳳翔さんは料理ができない
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72:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:24:29.14 ID:bqj5O/RGo
飯屋と飯屋の間にある雑貨屋へとたどり着く。
ここは外装さえ小汚いが、取り扱うものはよく揃っている。
潮が花を育てているのに使う鉢植えや、隼鷹が使う猪口もここで買った。
箸なども、思えばここで買っていたな。
73:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:29:30.30 ID:bqj5O/RGo
「悪いが、今日は何も買うつもりはないぞ」
「冷やかしなら帰っておくれ」
けたけたと歯を鳴らして笑う老人は、私にそんな冗談を投げかけた。
74:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:33:39.66 ID:bqj5O/RGo
「あ、私は外で待っていましょうか」
この店はお世辞にも広いとは言えない。
それを察した鳳翔は、私に道を開けるように半歩下がった。
75:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:37:11.13 ID:bqj5O/RGo
「わかりました」
鳳翔が暖簾をくぐってゆくのを見届ける。
そうして姿が見えなくなったところで、私は商品を手に取った。
76:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:42:05.01 ID:bqj5O/RGo
「待たせたな」
「わっ」
私が暖簾をくぐると、鳳翔が飛び上がった。
77:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:49:19.92 ID:bqj5O/RGo
今日という一日は、それは壮絶な一日だった。
私が遠征の許可を出せなかったせいで、夜間に外出している面子も鎮守府内に残っていた。
それもあり、私と鳳翔は過酷な調理を強いられたのだ。
もう肩も上がらん。
78:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:56:10.63 ID:bqj5O/RGo
そうだ、忘れていたことがあったな。
私はそこらの棚に置いていた「それ」を手に取る。
「その紙袋は……?」
79:名無しNIPPER
2016/02/02(火) 23:58:00.12 ID:bqj5O/RGo
「い、いいのですか?」
「いいと言っている」
「本当に、本当にですか?」
80:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 00:05:36.47 ID:RziCn0bEo
彼女は、がさがさと紙袋の中身を確かめる。
それを見た時、どんな反応をするだろうか。
「これは……」
81:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 00:08:21.03 ID:RziCn0bEo
「はぁ、はぁ……よく笑わせてもらった」
私の笑い声に、鳳翔は立腹していた。
まるで子供のそれと同じように顔を背けていたのだ。
よく見れば頬も膨らんでいる。
82:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 00:13:29.37 ID:RziCn0bEo
「その長髪は料理の邪魔になるかもしれんだろう」
そのために束ねておけばいい、と告げる。
鳳翔は自分の髪を手に取り、ふむと納得したように呟いた。
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