過去ログ - モバP「まゆ、アイドルをやめろ」
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44: ◆XGUhGKCp0s[saga]
2016/01/29(金) 17:23:13.50 ID:nJx9Zcsm0
その、瞬間だった。机上の電話が鳴る。
「はい、346プロ……」
『ああ、どうも。765Pです』
「先ほどは失礼いたしました……Pさんはたった今帰ったのですが」
『構いません。お伝えしたいことがあります。佐久間まゆさんが、春香の家から失踪しました』
「それは本当ですか」
『ええ。間違いありません。非常に申し訳ない』
「いえ……」
『明日になれば、捜索願を出したほうがいいかもしれません。彼女の実家の方にも帰っていない、のなら』
まゆちゃんの、実家。確か仙台にあったはずだ。
「あとで確認してみます」
『それから、Pのことですが。俺は、佐久間さんの行方を探すのと同時に、あいつのことを調べたほうがいいとも思っています』
「Pさんを、ですか」
『ええ。俺は確かにあいつと学生時代からの付き合いですが、それ以前の奴を俺は知りません。Pの言葉――アイドルから全てを奪う。もしも佐久間さんが無事に見つかったとして……Pは佐久間さんから大切な何かを、奪ってしまうかもしれない』
わたしはパソコンを操作し、Pさんの履歴書の写しを表示する。右上の方に、微笑むこともなく堅苦しく映っているPさんが、全くの他人に見えた。
「……ああ、」
書き記された彼の住所。それを調べてわたしは思わず呻く。
「Pさんの、住所……全くのでたらめじゃないですか」
『それで今まで、よく隠し通せてこれましたね。大方会社からの通達なんかは、会社経由にしてたんでしょう……そこまでして居場所を隠そうとしてたなんて、Pはまた何か――』
765Pさんはそこで不自然に言葉を切った。
その沈黙に耐えかねて、わたしは遂に口を開いた。
「……あの。Pさんは、人を殺したんですか?」
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