102:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 02:00:08.55 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「最後だし、今まで使わせて貰ったお礼に、めいっぱい綺麗にして帰ろうね」
さっき自分が言ったことも忘れて、そんな言葉を口にしながらテーブルを磨いていく。
ごらく部の片付けは卒業式の日にしようと決めていたので、まだ部室には私たちの私物がいくつも残っていた。
その代わりに、教室に置いてあった絵の具セットやらなんやらは昨日までの間に持って帰ってしまっていたので、
今日は両手いっぱいに私たちの思い出を持ち帰っていけるのだ。
あかり「うん。そうだねぇ」
あかりちゃんが頷いて縁側の戸を開けた。
まだ春の陽気には少しはやい。ちょっとだけ冷たい風が部室に吹き込んでくる。
ちなつ「四月からは高校生かぁ……」
無心でテーブルを磨いていると、不意にそんな言葉が口をついた。
あかり「うん。またみんなと一緒だね」
私たち二人は、結衣先輩と京子先輩と同じ高校への進学を決めていた。
県内随一の進学校だったから、受験勉強は大変だったけど、
そのおかげで勉強会と称してあかりちゃんと四六時中一緒にいられたから、そう悪いものでもなかった。
そんなことを考えてて私だけ落ちてたら、本当に洒落にならなかったけど。
121Res/149.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。