44:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:20:22.91 ID:NYPOpsNEo
あんなに一生懸命頑張ってくれたのに、あかりちゃんはそんな役割でよかったのかな。
あかりちゃんは魔法使いと言ったのは私だし、あかりちゃんも凄く喜んでくれたように見えたけど、ついそんな思いが頭よぎる。
あかりちゃんも昔はよく主役になりたいって言っていたし、本当はシンデレラだってあかりちゃんの憧れだったのかもしれない。
あかりちゃんの態度からはとてもそんな風に思っているように見えないけれど。
きっとあかりちゃんは隠し事をするのが誰よりも上手いから。
あかりちゃんの心が分からないのがなんだかもどかしかった。
舞踏会の時だってそうだ。
舞踏会で二人ひと組のペアを作ると言ったあの時、
私と結衣先輩、杉浦先輩と池田先輩、京子先輩と千鶴先輩、西垣先生と会長までは簡単に決まった後、
櫻子ちゃんと向日葵ちゃんとあかりちゃんで誰がペアになるかでもめかけていた時、あかりちゃんは
魔法使いは舞踏会には参加できないから、と言って舞踏会のときだけナレーションを引き受けてくれた。
きっとあかりちゃんは二人が組みたがっているのを察して、適当な理由をつけて身を引いてくれたのだろう。
魔法使いが舞踏会に参加したっていいんだよ。
私はそう言いたくてたまらなかったけど、言ってしまったらそうまでしてあかりちゃんが守りたかった何かを壊してしまいそうで、
言えなかった。
そんな私の思いを知ってか、知らずか、あかりちゃんはいつも通り笑っている。
あかり「ふぅ〜、あれ、ちなつちゃんの分のお水は?」
ちなつ「ん? ああ、ちょっとそれ貸して」
そう言って私は半分奪い取るようにあかりちゃんからペットボトルを貰うと、一口だけ飲んで、またあかりちゃんに渡した。
ちなつ「はい、ありがと」
私の鞄にはちゃんと用意していた自分の分の水が入っている。
どうしてこんなことをしたんだろう、と思ったけど、あかりちゃんがちょっと動揺してるのが面白かったので、
気にしないことにした。
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