86:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:47:56.32 ID:NYPOpsNEo
夜の公園には私たち以外誰もいなかった。
私たちはベンチに腰を下ろして、何も言わず空を見上げている。
あかりちゃんは何も尋ねない。私も何も答えない・
ただこうしてあかりちゃんの隣にいられるだけで、胸の中は温かった。
あかり「でも、良かったよ」
しばらくしてあかりちゃんが、ゆっくりと口を開いた。
そして、手に持っていた袋から小さな包みを取り出す。
赤いリボンと白い紙で丁寧に包装してあるそれを、あかりちゃんはそっと私に手渡した。
あかり「本当は、今日中に渡したいなって思ってたんだ。はい、ちなつちゃん」
あかり「誕生日おめでとう」
その言葉だけで、泣きそうなくらい嬉しくなった。
ちなつ「ありがとう、あかりちゃん」
私は涙が溢れそうになるのをこらえて、あかりちゃんにお礼を言う。
あかりちゃんが、私のために選んでくれたプレゼント。
白い小さなそれを、私はぎゅっと抱きしめた。
だけど、
あかり「結衣ちゃんのプレゼントの後じゃ、霞んじゃうかもしれないけど」
あかりちゃんがそんなことを言うから、私の胸はズキリと痛んだ。
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