171: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:06:08.81 ID:JmhlVSGn0
王匡「理由? 単純明快ではないか。“更始帝陛下”は識見に富み、そのお人柄は天下万民を包み込むであろう。
王莽に簒奪された漢王朝を復興させるには、劉氏を立てるのが良い。
系属で言えば劉縯殿の族兄に当たるし、至極順当ではないかな?」
劉縯(何をもっともらしく……詭弁をぬかすな)
172: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:07:06.35 ID:JmhlVSGn0
劉縯「つまり、朝廷を斃しても今度は“別の皇帝”と戦うことになる。
皇帝が複数いる以上、天下の兵はこぞってどちらかの陣営に属し、血で血を洗う戦になるぞ。
天下万民の安寧を目指す我らにとって、いまの時期に皇帝擁立など愚策でしかない!」
王匡「……では、劉縯殿は更始帝陛下に異議を申されるというのだな?」
173: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:07:46.13 ID:JmhlVSGn0
王匡「たった今、貴様は陛下の御稜威(みいつ)を蔑ろにした! その言動は不敬である!」
劉縯「貴様……!」
王匡「更始帝陛下の王朝創立にあたり、貴様の命は一罰百戒の贄となってもらおう。ありがたく思うがよい」
174: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:08:23.32 ID:JmhlVSGn0
〜宛〜
周子「お〜、よしよし。いっぱい食べるんだよ、ブリッツェン」
175: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:09:03.43 ID:JmhlVSGn0
愛梨「……ねえ周子ちゃん、ちょっといい?」
周子「どうしたの、愛梨ちゃん。いつになく遠慮がちだけど」
愛梨「さっき、間者の人が届けてくれた書簡なんだけど」
176: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:09:58.24 ID:JmhlVSGn0
周子「恐れていたことが……現実になったよ……」
イヴ「まさか……」
周子「お兄ちゃんが……殺された……って」
177: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:10:25.13 ID:JmhlVSGn0
イヴ「でも、行ってどうするんですか?」
周子「お兄ちゃんは不敬罪で殺されたんだ。だからお兄ちゃんの不敬を詫びる。こうすれば王匡も難癖つけられないはず」
愛梨「でも、危険なことにかわりないよ」
178: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:11:03.70 ID:JmhlVSGn0
〜数日後 宮殿〜
側近「王匡様、王匡様……」
179: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:11:57.49 ID:JmhlVSGn0
王匡「それで、今日は何の要件かな?」
周子「我が兄劉縯が、陛下に不敬をはたらいたとか。そのお詫びに参りました」
王匡(劉縯を処刑したことを詰問するのではなく、謝りに来たのか……)
180: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:12:46.96 ID:JmhlVSGn0
周子「私の処罰は陛下の御聖断のままに。
それまでは、劉家軍の指揮権は廷臣のどなたかに委任し、私は自宅で謹慎しております」
王匡(この娘、昆陽で官軍を破ったというが、政治に関しては疎いのだな。
ならば殺さず、朝廷のために働かせておくか……)
181: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/03(水) 21:13:36.49 ID:JmhlVSGn0
〜数刻後〜
周子「……」
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