294: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:49:41.43 ID:O+AvpSUD0
周子「使者? 何の用?」
留美「要約すると、河北討伐は大方終わったのだから長安に帰ってこないか、というところかしら」
周子「ふーん」
295: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:50:22.77 ID:O+AvpSUD0
留美「とぼけないで。更始帝の言いなりになるつもりなんてないんでしょう」
周子「まあね」
留美「じゃあ決定ね……岑彭さん、こちらへ」
296: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:51:01.72 ID:O+AvpSUD0
謝躬「うぬぬ……いつまで待たせるつもりだ。私は更始帝の勅使だぞ……」
岑彭「お待たせしました」
謝躬「やっとか……って、お前は岑彭じゃないか! 久しぶりだな、おい!」
297: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:51:31.27 ID:O+AvpSUD0
岑彭「いやいや、大したことないよ。正直なところ、無能すぎて困ってるくらいなんだ」
謝躬「やっぱりそうか? あいつの兄も大したことなかったからな〜」
岑彭「積もる話は後だ。さあ、この部屋に劉秀将軍がいらっしゃる。俺は部屋の外で待機してるから」
298: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:52:00.23 ID:O+AvpSUD0
留美「ええ、誰もいませんよ」ジャキン
謝躬「そういうことか! おのれ劉秀め、謀ったな!」
留美「観念しなさい」
299: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:53:04.24 ID:O+AvpSUD0
岑彭「すまんな謝躬。劉秀将軍は更始帝と訣別し、俺はお前とは別の道を歩む。
たまたまお前の歩んだ道の先に、深淵が口を開いていたというだけのことなのだ……」
留美「辞世の句を詠まなくてもいいのかしら? それぐらいなら聞いてあげるけど」
300: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:53:31.71 ID:O+AvpSUD0
後漢書・呉漢伝に曰く、
『謝躬は、呉漢と岑彭に捕らえられたとき、命乞いをした。
301: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:54:25.23 ID:O+AvpSUD0
周子「……首尾よく終わった?」
留美「ええ」
岑彭「しかし、外に謝躬の兵が残っておりますが、いかがいたしましょう」
302: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:55:11.40 ID:O+AvpSUD0
兵「謝躬殿はいつまで待たせるんだよ」
兵「こういうのは形式や礼儀が煩雑なんだよ。時間がかかるのも無理ないさ」
拓海(確かに、時間がかかりすぎてるよな。謝躬の奴は何やってるんだ……それはそうと、周子は元気にしてるかな)
303: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:56:39.53 ID:O+AvpSUD0
拓海「周子!」
周子「あれ、タクミン? 久しぶりー。元気にしてた?」
拓海「は、はぁ、到って健康だが……いや、今はそんなことを言ってる場合じゃねえ! これ、どういうことだ!」
304: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/02/07(日) 19:57:42.27 ID:O+AvpSUD0
拓海「アタシは……」
周子「拓海ちゃんはもう十分に、朝廷に忠義を尽くしてきた。
でもね、小義に拘って大義を忘れてしまうなんて、本末転倒じゃない?」
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