8: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:19:48.58 ID:smbC/+Dp0
劉縯「どうした? これでもまだ不満か?」
周子「……ちょっと待った。一つだけ、まだ問題があるよ」
劉縯「なんだ?」
9: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:20:44.23 ID:smbC/+Dp0
周子「けどさぁ……」
劉縯「いいか、良く聞け。俺たちは漢の開祖である、高祖劉邦の末裔だ。官職に就いてもおかしくはない」
周子「高祖の子孫だって言っても、天下に劉氏なんて掃いて捨てるほどいるよ」
10: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:21:42.01 ID:smbC/+Dp0
劉縯「お前が生まれたときも、部屋の中が赤い光で満たされ、赤龍が飛翔したと母上がおっしゃっていた。
それにお前が生まれた年は、近辺の水田では嘉禾(かか:豊作の稲穂)が生じたというではないか。
父上はそれゆえ、お前を“秀”と名付けられたのだ」
周子「まぐれだよ、まぐれ」
11: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:22:12.37 ID:smbC/+Dp0
周子「わかったよ、お兄ちゃん。あたし、留学する!」
劉縯「そうか、よくぞ決心してくれた!」
周子「善は急げって言うからね。いまから旅支度して、数日中に出発するよ」
12: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:23:00.24 ID:smbC/+Dp0
劉縯「そうだ、一つ言い忘れていたことがある」
周子「何?」
劉エン「そのお金だがな……」
13: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:23:46.52 ID:smbC/+Dp0
劉縯「つべこべ言うな。どうせお前のことだ、仕送りしてもらいながら暢気に都会暮らしができるとか考えていたんだろう」
周子「うっ」
劉縯「甘いな。それにさっきお前は、留学するってはっきり宣言した。二言はないよな?」
14: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:24:31.25 ID:smbC/+Dp0
周子「……とは言うものの、何だかうまいこと言いくるめられて、家から追い出されちゃったってかんじ」
イヴ「先のことを考えるのは、後にしましょう。今は都への旅を楽しめば良いんですよ」
周子「ふふっ、そうだね」
15: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:25:05.66 ID:smbC/+Dp0
周子「そういえばさ、ブリッツェンって何なの? 鹿でもないし、馬でもなさそうだし」
イヴ「ブリッツェンはトナカイですよ〜」
周子「トナカイ? トナカイって何?」
16: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:26:01.88 ID:smbC/+Dp0
周子「ところでさ、イヴちゃんは学費とか生活費とかは大丈夫なの?」
イヴ「周子ちゃんと同じですよ。足りない分は自分で働いて賄えって言われてますから」
周子「実家はお金持ちなのに?」
17: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:26:57.29 ID:smbC/+Dp0
〜長安〜
周子「やっと着いたぁ、ここが都か」
18: ◆818HMgmAXY[saga]
2016/01/31(日) 21:27:44.62 ID:smbC/+Dp0
ドン
周子「おっと」
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