過去ログ - あぎり「やすなさんの異常な愛情」
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698:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 00:24:11.86 ID:qN8sgtAQ0
「……Baby Please Kill Me」

「……それが?」

「そうだ。あぎり、私を……」
以下略



699:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 00:26:21.30 ID:qN8sgtAQ0
「ポンプが動き出した……じき、アーケロン本体もバランスを崩すだろう。その前に脱出するんだ」

「えぇ、わかってます」

私がそう答えると彼女は、少しだけ微笑んだ。
以下略



700:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 00:27:58.09 ID:qN8sgtAQ0
彼女はただ何も言わずに、目を瞑っていた。

薄れていく彼女の姿を、私はじっと見つめる。

不思議と、涙は流れなかった。
以下略



701:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 00:33:09.13 ID:qN8sgtAQ0
画面は、既に砂嵐。

スピーカーも、雑音が多くなってきた。

その隙間に、かすかに聞こえる声があった。
以下略



702:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 00:43:26.07 ID:qN8sgtAQ0
「……あぎりさん」

「なんですか、やすなさん」

「……ごめん、なさい」
以下略



703:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 00:53:06.32 ID:qN8sgtAQ0
雑音が、一際大きくなる。

もう何も聞こえない……。

いや、よく耳を澄ますと聞こえてくるものがある。
以下略



704:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 01:03:27.21 ID:qN8sgtAQ0
「……やすなさん!ソーニャ!」

思わず、私は叫んでいた。

彼女たちからの返事はない。
以下略



705:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 01:11:20.85 ID:qN8sgtAQ0
砂嵐の画面が、暗転する。
システムがダウンしたんだろう。

それと同時に、私の頭に再び衝撃が走った。

以下略



706:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 01:24:00.14 ID:qN8sgtAQ0
立ち上がろうとしても、手足が思うように動かせない。
このままだと、アーケロンの崩壊に私も巻き込まれてしまうだろう。

あぁ、でも。

以下略



707:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 01:32:32.32 ID:qN8sgtAQ0
続いて、制御室のドアが蹴破られ。

数人の半長靴の音が、床を通して伝わってくる。

そして聞き覚えのある、男性の声。
以下略



708:74TK ◆7Yh0Xuci4Y[saga]
2016/05/29(日) 01:45:18.48 ID:qN8sgtAQ0
気が付くと、一佐の厳つい顔が目の前にあった。

「一、佐……?」

「気がついたか」
以下略



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