過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
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25: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 19:01:06.04 ID:CnMOex1r0
会社でも、久しぶりに情けないミスをしてしまった。
慰めてくれるのは、ちょっと香水のきつい隣のお姉さんだった。
愛想笑いで、涙ぐむのを必死にこらえた。
なんとかこの癖を直さないと、いつまで経ってもこのままのような気さえした。
情緒が豊かなのか、不安定なのか。
祭ちゃんがいなくなったことも相まって、自分でも驚くくらい今日は湿っぽい。
むしゃくしゃもしていたし、地の底に着いてしまうくらい落ち込んだりもした。

帰り道。
天気予報を確認せずに、雨にずぶ濡れになった。
ビショビショでタクシーに乗ったら、運転手にとても嫌な顔をされた。
もうそれだけで泣けた。
すでにぐっしょりだったので、相手は気づかなかったみたい。
不幸中の幸いで濡れてなかったお財布からお金を取り出した頃には、雨もすっかり止んでいた。
わざわざ私の帰る時間に合わせて振って来ないで欲しい。
通り雨にぶつぶつ文句をたれた。

家に帰って、暖房をつけて服を乾かす。
ブラウスと下着だけになって今朝の残りを電子レンジで温めた。
ふいに頭の上に何か冷たいものが落ちてきた。
見上げると、雨漏りしている。
丁度、チンと夕飯が出来上がった。

「最悪……だ」

開かずの天上の物置の扉だった。
お味噌汁もいい具合に沸いてきていたので、急いでお鍋の火を止める。
先に夕飯を食べたいけど、この雨漏りを防ぐ方が先かな。
下にバケツを置く。
来た当初に早々に開けること諦めた扉。
寝室のベッドの下から三脚を取り出してよいしょと上がる。

「ふんッ」

取っては錆びついていた。
たぶんこうやって水漏れしてたのを放置して、開かなくなってしまったんだ。
安い賃貸はこれだから。もちろんせっかく安いのを選んでくれたんだから文句は言わないけど。
そして、また選んでくれた友達の顔を思い出して涙ぐむ。
鼻がツーンとした。
無理にこじ開けると、別の隙間から肩に水が滴り落ちてきた。
釘抜を持ってきて、隙間に思い切り差し込んだ。
もう、こうなったら意地だった。
壊れても知らない。
最初から壊れていたんだから。


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