過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
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28: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 19:54:36.60 ID:CnMOex1r0
夢を見ているのかと思った。
できたら、夢であればとも。
でも、祭ちゃんの少し冷たい手は本物だった。
その手は、私が比較的落ち着いたのを知ると、離れていった。
祭ちゃんに体を抱き抱えられたまま、私は吃音を繰り返す子どものように言葉を紡いだ。
「ど、どうして……え、今、どこから」
「どこって、今、見てたじゃない」
「え?」
え、ともう一度言って、天井を見た。
ぽたりと滴が落ちた。
私は長年の友達の言葉を何ら理解できない。
「だから、ずっとそこにいた」
「なん、で」
「妻鳥を見てた。言ったよ、ずっと一緒だって」
私は首を振った。
彼女から離れようと前に乗り出す。
彼女の手がゆっくりと剥された。
距離を取る。
「どうしたの? あんなに、私に会いたがってたのに。嬉しくない?」
嬉しいとか、そういう感情は一切湧かなかった。
あったのは、ただ恐怖だった。
「変な顔」
鼻で笑う。
笑い事じゃない。
警察。
通報する。
私は机の上の携帯に手を伸ばした。
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