過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
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30: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 20:29:12.74 ID:CnMOex1r0
笑いながら、私の方に手を伸ばしてきたので、とっさに近くにあった本で彼女の頭を殴ってしまった。
鈍い音がリビングに落とされた。

「った」

逃げないと。
立ち上がろうとしたけど、足が上手く震えて足裏が滑ってしまう。
腰が砕けていた。
ただ、冷蔵庫にへばりつく。
友達?
友達って。
友達はこんなことしない。
なら、友達なんて言えないじゃない。

「私の知ってる祭ちゃんは、こんなことしないよッ」

私は喉が詰まるような叫びをあげた。
喉が張り付いてげほげほとむせた。

「じゃあ、どんな私だったら良かった? どうしたら、私から離れないでいてくれた? 最初に約束したのは妻鳥じゃない。約束を破ったのも妻鳥だけど。妻鳥はいいよね。言えばいいだけだから。忘れたっていいんだから。大きな傷になんないから。こっちはえぐれて大変だったのに。そんなことも気づかないくらい能天気なんだよね。そういう所も好きだよ。妻鳥」

一息で、彼女はそこまでまくし立て、また続けた。

「口だけの女だって分かってたけど、それでも妻鳥の言葉に救われたから妻鳥なら私をなんとかしてくれるかもしれない妹も救ってくれるかもしれないそういう風に思ったけどどうなのかな期待してる私がバカだったのかなねえ、妻鳥」

だんだんとこちらを見ずに、自分に問いかけるように喋り始めていく。
私は挟む言葉も見当たらず、迷子のように脳みそを揺さぶっていた。

「どうなの、妻鳥?」

「な、なにが」

訳が分からず、聞き返してしまう。
まともな会話ができるのかと思いながら。

「妻鳥は私を見捨てるの?」


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