過去ログ - 聖「あれだけ愛した野球を捨ててしまうのか?」
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2:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:10:27.04 ID:mejYc6j90
 初めての夢の舞台は、のぼせるように熱かった。
 俺はじんわりと汗ばむ額を袖で拭い、キャッチャーマスクを被った聖ちゃんを見る。
 黒土に向け、ぴんと人差し指が立つ。
 サインはストレートだ。

以下略



3:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:11:14.14 ID:mejYc6j90
「……分かっているよ」

 どくどくと暴れる心臓を落ちつけるために長い息を吐く。
 緊張がかすかに解れ、割れんばかりの歓声が耳にまで届いてきた。三回戦だというのに観客のこの熱狂具合はさすが甲子園というべきか。それとも、このシチュエーションゆえか。
 3対2。1点リードの9回裏、2死満塁。ボールカウントはツースリー。
以下略



4:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:11:55.30 ID:mejYc6j90
 俺はマウンドを踏みしめた。
 何万回と繰り返してきた投球モーション。右腕を大きくしならせ、全ての想いを指先に込めるようにして投げた。
 それは野球人生の中で、最高のストレートだったと思う。
 けれどその球は、聖ちゃんのミットに収まることはなかった。

以下略



5:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:12:29.08 ID:mejYc6j90
 空気を裂く甲高い快音。
 白球は、青空まで届くかのようにぐんぐんと伸びていく。
 ベンチに下がった先発のみずきちゃんは悲痛な叫び声をあげ、センターの矢部くんは途中で追いかけるのを止めた。
 逆転満塁サヨナラホームラン。
 友沢はいつもの仏頂面を崩し、小さくガッツポーズ。数万人の喝采を一身に浴びながら、ダイヤモンドをゆっくりと回っていく。
以下略



6:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:13:50.18 ID:mejYc6j90
 翌週

『――ショート友沢とる。投げたっ。アウトォォ! 夏の甲子園、優勝はっ、帝王実業高校でぇぇすぅぅぅっ!!』ワーワー

パワプロ「やっぱ優勝は帝王実業か。下馬評通りって感じだな」
以下略



7:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:14:43.46 ID:mejYc6j90
パワプロ「やけに美味そうに飲むなぁ」

みずき「ランニングの後の一杯は格別なのよ」プハー

パワプロ「そういやそうだね。何日も走ってないから、その感覚忘れちゃったよ」
以下略



8:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:15:16.08 ID:mejYc6j90


みずき「野球、辞めちゃうの?」


9:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:16:08.57 ID:mejYc6j90
 ガチャッ…

聖「……先輩、それは本当なのかっ?」

みずき「あ……っ」
以下略



10:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:16:48.22 ID:mejYc6j90
聖「ッ!」

聖「……見損なったぞ」ダッダッダッ

みずき「待ってっ……あーもう、こんな時だけ足がすこぶる速いんだから」
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2016/02/03(水) 21:25:27.19 ID:m1X5Gvo2o
パワプロss貴重だから期待


12:名無しNIPPER
2016/02/03(水) 21:43:13.39 ID:mejYc6j90
 その日の夕方

『タチバナー、ファイ、オー! ファイ、オー!』

パワプロ「やばっ……もう最後のランニングやってるよ」
以下略



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