過去ログ - P「まゆの左手首がなんだって?」
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78:名無しNIPPER[saga]
2016/02/07(日) 21:49:09.91 ID:rAAj1zaS0
書き溜め分が終わったので、ここで一旦区切ります。
79:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:02:52.13 ID:DNhouemE0
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10.「形」
美穂から電話を受けた数時間後、俺は女子寮にあるまゆの部屋を再び訪れていた。
80:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:03:45.70 ID:DNhouemE0
「それで、何を見せたいんだ?」
「あの、まゆちゃんを探す手掛かりが何か無いかと思って、寮のみんなと一緒に部屋を調べたんですけど……」
81:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:04:45.83 ID:DNhouemE0
美穂がクローゼットの扉を開く。
「私、初めてこの部屋に入った時に、なんでクローゼットの前に棚なんて置いてあるんだろって思ったんです。
82:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:05:47.39 ID:DNhouemE0
「一見すると、確かに可愛らしい部屋に見えますけど……この部屋は、
人が……女の子が生活していたにしては……いびつ過ぎます」
83:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:06:34.10 ID:DNhouemE0
「これ、俺が預かっても構わないかな?」
「……私には、分かりません」
84:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:08:00.60 ID:DNhouemE0
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11.「再開」
寮を後にした俺は、事務所に戻るために人通りの少ない河川敷を歩いていた。
85:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:08:58.21 ID:DNhouemE0
「――――まゆ?」
見間違えるはずの無い栗色の髪。コートを着ているため、普段よりもふっくらとしたシルエット。
86:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:10:32.53 ID:DNhouemE0
「……今まで、どこにいたんだ? みんな心配してたんだぞ」
「……ごめんなさい」
87:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:11:28.71 ID:DNhouemE0
一瞬だけまゆの瞳が泳いだが、すぐに頭を振って否定する。そんな彼女の態度に、無意識のうちに視線が彼女の左腕に移る。
だが、左手はコートのポケットで隠されており、中の様子をうかがい知る事はできない。
88:名無しNIPPER[saga]
2016/02/08(月) 12:12:27.53 ID:DNhouemE0
まるで、機械が喋っているかのようなトーンでそう言い放ったまゆの視線が、俺の持つ彼女の日記帳へ向けられる。
その瞬間、何の感情も見せなかった彼女の瞳が大きく見開かれたと思うと、俺の胸に自分から飛び込んできた。
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