過去ログ - 魔王「八畳一間ワンルーム。風呂無し、共同トイレ。家賃は３万円」 -SS速報VIP

過去ログ - 魔王「八畳一間ワンルーム。風呂無し、共同トイレ。家賃は３万円」

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24:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:29:35.69 ID:yX2v5mtS0
ちょっと続きのせておきます

25:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 00:32:17.67 ID:yX2v5mtS0
　深い水底から浮上するように、私の意識はゆっくりと覚醒した。

女「おい、あんたっ。しっかりしい！」

　見慣れぬ若い女性が私の肩を揺すり、どこの国かも分からぬ言葉で呼びかけている。

以下略

26:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 00:34:08.31 ID:yX2v5mtS0
女「あらら、伝わらへん。あんた外人さんかいな。えーっと……ドゥユースピークジャパニーズ？」

魔王『？』

女「かーっ、まったく伝わらへん。これやったら大学で外国語もっと勉強したら良かった」

以下略

27:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:35:07.11 ID:yX2v5mtS0
女「ま、お医者さんのとこ連れていったらええやろ。その前にびしょ濡れになったその服の代わりにあたしの服貸したげるわ」

　その場から私を起こそうと、彼女は腕を掴む。

魔王『お……おい、なにをする！』

以下略

28:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:35:50.48 ID:yX2v5mtS0
魔王『な、なにを……！』ｶｧｰｯ

女「ハグは万国共通やろ？　ほれほれ、あたしはあんたの敵ちゃうでー」ｷﾞｭー

魔王『は……離せっ！』

以下略

29:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:36:34.58 ID:yX2v5mtS0
　その後、彼女に言われるがまま、私は服を着替えた後に診療所へと連れて行かれた。
　道中に濡れたドレスを乾かそうとファイアボールを何度も唱えたが発生せず、困惑する私を彼女はケラケラと笑った。

女「なんやそれ、魔法の真似っこ？　あたしも小さい頃ようやったわ。こう箒をまたいでなー」

以下略

30:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:37:04.85 ID:yX2v5mtS0
　診療所の奥から忘れるはずのない声が聞こえてきた。

？？『おーい、兄ちゃん。俺はこれからどうすればいいんだよー』

魔王『！？』ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

以下略

31:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:37:40.63 ID:yX2v5mtS0
勇者『てめぇこの野郎、性懲りもなく現れやがって！　決着つけるかぁっ！？』

魔王『……ッ！』

勇者『ってぇ、おい。どうしたんだお前。そんなしょぼくれやがって』

以下略

32:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:38:14.00 ID:yX2v5mtS0
勇者『ちぇっ……興が逸れた』ﾌﾟｲ

　対する勇者はたくさんの旅をしてきたからか、戸惑いながらもちゃんと順応しようとしていた。私みたいに泣くことはなかった。
　だけど、彼にも安心感はあったようで、話し合った結果“元の世界に戻るまでは休戦”ということになり、互いに協力しながら“元の世界に戻る方法”を見つけることになったのだ。
　もちろん、最初は信用してもいいのか？　裏切られるんじゃないか？　っていう不安はあったものの、それもすぐ消えた。

以下略

33:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:38:43.34 ID:yX2v5mtS0
男「なんだ、知り合いだったんですか」

女「おうっ、異国の地で離れた恋人と再会なんてロマンチックやねー！」

　そして私たちは助けてくれた二人の力を借り、日本語を覚え、名前を手に入れ、職につき、賃貸を借りて……と生活基盤を整えていった。

以下略

34:名無しNIPPER
2016/02/10(水) 00:39:12.27 ID:yX2v5mtS0
これで終わりです。続きはまた今度書きます

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