過去ログ - ビター (オリジナル百合)
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83: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 20:48:49.83 ID:xabxfl/s0
結局、ふみかちゃんは軽い誘いに乗ることなく放課後を迎えた。
弱ってる所が可愛いなんて言ったらどんな反応が返ってくるだろう。
きっと、私なんかが言っても何にも響かないと思うけど。

「家まで送っていくよ」
以下略



84: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 21:01:36.33 ID:xabxfl/s0
もっとも、たぶん何回か言ってくれてはいた。
今日は、どういう訳かふみかちゃんの意識の中に私がいたような心地がしなかったのだ。
かと言って、りょうを意識しているのかと言うとまた違うような。
とにかく、今日のふみかちゃんはどこか変。
そんな言葉で、彼女を表現するのも気が引けてしまうけど。
以下略



85: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 21:23:54.21 ID:xabxfl/s0
私の家への分岐点である郵便局前を通り過ぎる。
その頃には、人の顔が判別できない程度に陽は傾いていた。
歩道橋から混雑気味の車道を眺めながら、ふみかちゃんが呟いた。

「二人で帰るの久しぶりだね」
以下略



86: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 21:33:25.62 ID:xabxfl/s0
周りの街灯やビルの明かりを反射して、彼女の瞳だけがゆらゆらと揺れていた。
昨晩の電話のやりとりを思い出した。

「最近、あみちゃんに感じてる私の気持ち……そんな感じだから」

以下略



87: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 21:52:56.70 ID:xabxfl/s0
「それでね……なんとなく、分かったことがあって、あみちゃん……もしかして、私のこと好き?」

鉛の口を開く。

「どういう意味?」
以下略



88: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:13:49.80 ID:xabxfl/s0
「だったら、どうする?」

からかうように、彼女を抱きしめた。
こういうのは、わざとらしくした方がいい。
ふみかちゃんは首をすくめた。
以下略



89: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:28:31.05 ID:xabxfl/s0
私は笑った。

「ていうか、ちょっと前まで私がりょうのこと好きって言ってたじゃんか。あんたの推理は穴があり過ぎだよ名探偵」

後ろからふみかちゃんが着いてくる気配がなくて、振り返った。
以下略



90: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:45:37.51 ID:xabxfl/s0
「だから、あみちゃんのことで……知らないこととかっ……ほんとは、嫌なのっ……! 私の知らない人と付き合ってた時も、ほんとは、ほんとは嫌だった……んだから……」

ふみかちゃんは、いつも突拍子がない。
そして、説明が下手くそ。
そして、可愛い。
以下略



91: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:53:21.77 ID:xabxfl/s0
「私は!」

ふみかちゃんは、まだ何か言おうとしていた。
ああ、もう聞きたくない。

以下略



92: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 23:00:30.71 ID:xabxfl/s0
それから、彼女を急いで家に送っていった。
ふみかちゃんをベッドに寝かしつける頃には、互いに冷静さを取り戻していた。

「ごめんね……今日、私、変なことたくさん言った」

以下略



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