87: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 21:52:56.70 ID:xabxfl/s0
「それでね……なんとなく、分かったことがあって、あみちゃん……もしかして、私のこと好き?」
鉛の口を開く。
「どういう意味?」
88: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:13:49.80 ID:xabxfl/s0
「だったら、どうする?」
からかうように、彼女を抱きしめた。
こういうのは、わざとらしくした方がいい。
ふみかちゃんは首をすくめた。
89: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:28:31.05 ID:xabxfl/s0
私は笑った。
「ていうか、ちょっと前まで私がりょうのこと好きって言ってたじゃんか。あんたの推理は穴があり過ぎだよ名探偵」
後ろからふみかちゃんが着いてくる気配がなくて、振り返った。
90: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:45:37.51 ID:xabxfl/s0
「だから、あみちゃんのことで……知らないこととかっ……ほんとは、嫌なのっ……! 私の知らない人と付き合ってた時も、ほんとは、ほんとは嫌だった……んだから……」
ふみかちゃんは、いつも突拍子がない。
そして、説明が下手くそ。
そして、可愛い。
91: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 22:53:21.77 ID:xabxfl/s0
「私は!」
ふみかちゃんは、まだ何か言おうとしていた。
ああ、もう聞きたくない。
92: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 23:00:30.71 ID:xabxfl/s0
それから、彼女を急いで家に送っていった。
ふみかちゃんをベッドに寝かしつける頃には、互いに冷静さを取り戻していた。
「ごめんね……今日、私、変なことたくさん言った」
93: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 23:05:44.59 ID:xabxfl/s0
短くやり取りして、小言を述べて、おかゆを渡す。
「食べさせてあげた方がいいの?」
聞くと、うんと頷いた。
94: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 23:17:22.10 ID:xabxfl/s0
もぐもぐ、と効果音さえ聞こえてきそうだ。
「優しいね、あみちゃんは」
少し張りつめていた背中が、緩くなる。
95: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 23:33:22.11 ID:xabxfl/s0
「だから、たぶん……分かりたいって余計に思うんだね」
ふみかちゃんは言った。
まるで、元カノみたいだと思った。
みさきさんがあれだけ言ってくれた愛の言葉も、私には伝わってなくて。
96: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/28(日) 23:45:01.18 ID:xabxfl/s0
出会いからやり直せばいい?
そんなことできない。
「ふみかちゃん、チョコ食べる?」
97: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/29(月) 00:34:08.14 ID:WIQywF900
今日はここまでです、
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