過去ログ - 姉「すぐ済むから」
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10: ◆68b3SKzuAs[sage saga]
2016/02/16(火) 11:25:54.88 ID:jzcgwpeqo
「……お゛…おね、えぢゃん゛?」



無言で見下ろす私に、漸く人心地というか、解放されて多少は落ち着けたのだろう妹が不安げな声をかけてくる。

可哀想に。いつも丹念に手入れしている髪はボサボサだし、声は風邪を引いた時以上にしゃがれ、「先日やってもらったの」と自慢していたチョコレートモチーフのネイルアートは最早見るも無残な有様だ。
正座している太腿には、蛍光灯の光を反射するテラテラとしたぬめり。


「……お風呂入ってきな。一人で入るのが怖かったら、お湯で濡らしたタオルで拭きな」

「…う、ぅん……わかっ、た」

ヨロヨロと立ち上がり、洗面所へ向かうべく妹は暗い廊下へと消えていく。
不意に。



「おねえちゃんはどうするの?」

暗闇の中で青白い顔をした彼女が問う。

どうするの、って。

「すぐ済むから」

安心を与える為の笑顔もなく、私はただ淡々とそう言い聞かせた。


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