6:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:29:54.88 ID:VRGhkH1O0
別に寂しいと思ったわけではない。
薄情だと思ったわけでもない。
それなのになぜか腹立たしい気持ちになって、仕事に集中できなくなった。
7:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:30:45.11 ID:VRGhkH1O0
怪我が完治した後は、今までの失敗を取り返すように頑張った。
ラジオ、ドラマ、バラエティなど様々なジャンルに挑戦もした。
ただ、どれをやっても女性ファンが増えるだけで男性のファンは増えなかったけど……
8:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:31:31.95 ID:VRGhkH1O0
そんなときだ。ファンレターの中にボクをきちんと女の子として見てくれる人が現れた。
ボクは小躍りして喜んだ。
けれど、何度もファンレターを読むたびに気づいた。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:32:11.08 ID:VRGhkH1O0
今も彼はファンレターを書き続けている。
ボクにばれてるとは知らずに。
いつかは彼に伝えないといけない。このファンレターを書いているのが誰かボクは知っていますよ、と。
10:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:32:59.69 ID:VRGhkH1O0
そんなことをずっと考えている間に、目的の場所が見えた。
桜の木の下に人影が見える。
「おう、真。今日はよろしくな」
11:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:33:40.13 ID:VRGhkH1O0
挨拶もほどほどに桜の木の下で互いにストレッチを始める。
ボクたちは今日、ランニングをするために来たのだから当然だ。
ちなみにボクの日課のランニングに彼が付き合う形だ。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:34:19.73 ID:VRGhkH1O0
あ、そういえば真。知ってるか?」
「ん?何がですか?」
「お前が待ち合わせ場所に指定したこの桜の木の下。カップルの待ち合わせによく使われてるみたいだぞ」
13:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:35:03.49 ID:VRGhkH1O0
きっと言葉にしない限り鈍感な彼にこの気持ちが届くことはないのだろう。
だけど、今はこれでいい。
ボクはアイドルだ。
14:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:35:59.32 ID:VRGhkH1O0
準備運動が終わる。
靴紐をキュッと結ぶ。
大きく息を吸い込む。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 04:36:39.77 ID:VRGhkH1O0
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
拙い文章でお目汚し失礼いたしました。
16:名無しNIPPER[sage]
2016/02/21(日) 05:30:17.43 ID:sFi76HGv0
乙
面白かったよ
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