過去ログ - 拓海「アイドルになって、10年が経った」
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17: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:52:27.04 ID:zZX4IJgK0
「ちょっ、大丈夫?」

「ゲッホ、ゴホッ…あ、アンタなぁ!」

「ごめんごめん。まさかそこまで動揺するとは思ってなくて」
以下略



18: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:53:06.73 ID:zZX4IJgK0
「あの人、いつも事務所で言ってるのよ?『子供っていいですよねー』とか、『俺も父親になりたいなー』とか」

「それ本当か…?」

早苗さんが言ったことが信じられなかった。
以下略



19: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:53:41.85 ID:OCn0ey+K0
「拓海ちゃんはどうなの?」

「どうって…」

真剣に考えたことはなかった。
以下略



20: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:54:31.66 ID:t7PwyPmh0
そうして早苗さんの仕事の話やアタシの今の生活の話をしている内に、1時間程経った。
何杯かのコーヒーの他にも、ケーキを注文した。

「そういえば、拓海ちゃんあの人と結婚してそろそろ1年だけど、結婚記念日っていつだったかしら」

以下略



21: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:54:57.79 ID:t7PwyPmh0
「………今日じゃない?」

スプーンを落とした。


22: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:55:47.70 ID:t7PwyPmh0
「きょ、今日?」

「今日。TODAY」

「…………!!」
以下略



23: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:56:28.54 ID:t7PwyPmh0
家に帰る途中、近所の菓子屋でケーキを買った。
「彼」も仕事帰りによく寄って、シュークリームなどを買ってきてくれる店だ。
記念日だから…というのは後付けの理由で、
忘れていたことへの謝罪の為に買ったのかもしれない。

以下略



24: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:57:02.96 ID:OCn0ey+K0
「それ…」

思わず自分が持っているビニール袋と見合わせる。
「彼」もその視線に気づいたようだった。

以下略



25: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:58:32.75 ID:OCn0ey+K0
ポロポロと、涙が溢れた。

「彼」は今日を忘れてなんかいなかった。

忘れてたのは、アタシだけだったのだ。


26: ◆kYiT/1W01E[saga]
2016/02/22(月) 00:59:25.90 ID:zZX4IJgK0
「…落ち着いたか?」

「…………うん」

結局、大泣きしてしまった。
以下略



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