過去ログ - 【艦これ】足柄さんは恋ができない
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1:名無しNIPPER
2016/02/23(火) 19:42:01.38 ID:7VugJfIWo
「そろそろ寝るか」
読んでいた小説に栞を挟んで灯りを消す。
本を枕元に置き、ごろりと仰向けになった。
随分と夜更かししてしまったらしい。
窓から見える月は、もう半分ほど沈んでいた。
「明日は昼から……演習か」
意識がしだいに遠のいていき、ゆったりとした微睡みに身を委ねる。
この穏やかな瞬間こそが、自分の感じる幸せで――――――――
快眠を打ち破るがごとく、自室の扉がはじけ飛んだ。
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2:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 19:47:39.31 ID:7VugJfIWo
「提督! 起きてる!?」
のっしのっしと自室に侵攻してくるさまは、全てを壊しつくす破壊の化身のごとし。
何事かと顔を上げるのも億劫だ。
3:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 19:52:49.21 ID:7VugJfIWo
「足柄。今、何時だと思ってる」
寒さに打ち震えながら、目の前の彼女に抗議をする。
しかし、そんなことはどうでもいいと言わんばかりに、彼女は一冊の本を突きつけた。
4:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 19:55:57.70 ID:kCKVQufio
足柄さんすき
5:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 19:56:36.91 ID:EMVe8fn4o
足柄さんきた!
6:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 19:56:50.16 ID:7VugJfIWo
「これ、本当なの?」
足柄が示すそのページには、確かにこう書いてあった。
『愛は人を強くする』、と。
7:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:06:09.88 ID:7VugJfIWo
「提督、私に愛を教えて!」
大声で、しかも未明に、何を口走っているのか。
鎮守府内が根も葉もない噂で持ち切りになるような、そんな事態が起こっている。
8:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:13:09.30 ID:7VugJfIWo
「その資料を用意するには時間がかかるんだ」
ありもしない資料を取り寄せる体を装い、神妙な面持ちをしてみせる。
寝起きであるというのに、我ながらなかなかの演技力だと感じてしまう。
9:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:20:15.36 ID:7VugJfIWo
「寝かせてくれ」
ぽつりと呟くも、彼女の返事はなかった。
どうしたことかと顔を見ると、ようやく合点がいった。
10:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:23:13.00 ID:7C+mLS6to
可愛くてアホな足柄さんは貴重
11:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:25:28.12 ID:7VugJfIWo
これは起きない。
ここで寝ていて、椅子から倒れて怪我でもされたら困る。
布団に移してやろう。
「うっ」
12:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:43:21.60 ID:kr5nlOloo
これは期待
13:名無しNIPPER[sage]
2016/02/23(火) 20:54:40.12 ID:Lo4WyZB30
飢えた狼(意味深)扱いされていない足柄さんの方が魅力的だと思うし、本当はこっちが正しいと思うんだ。C
14:名無しNIPPER[sage]
2016/02/24(水) 15:35:26.95 ID:4I9gK724o
原作ゲームに近い解釈としてな。
なんかアホ成分入ってるが可愛いぞ期待乙
15:名無しNIPPER[sage]
2016/02/25(木) 01:52:11.50 ID:oIslcyv5o
「おはよう提督。んんー……なんだかよく眠れた気がするわ!」
「そりゃよかった」
寝床を失った自分は、結局のところ眠れなかった。
16:名無しNIPPER
2016/02/25(木) 01:57:38.44 ID:oIslcyv5o
「なら演習もまだね」
昼からの演習のことだろう。
足柄は時計をじっと見つめたが、時間が慌てて進むようなことはなかった。
17:名無しNIPPER
2016/02/25(木) 02:01:06.86 ID:oIslcyv5o
「そうだな……」
愛とは何に似ているか。
愛とは何だと定義できるか。
なかなかに哲学的だ。
18:名無しNIPPER
2016/02/25(木) 02:07:15.88 ID:oIslcyv5o
「よくない」
頭をがしがしと掻く足柄は、色気の欠片も持ち合わせてはいなかった。
それが彼女らしいと言えばそれまでだが。
19:名無しNIPPER
2016/02/25(木) 02:10:47.27 ID:oIslcyv5o
「好きって言葉はわかるわ。だって私は戦いが好きだから」
足柄は、きりりと表情を変えた。
戦いこそすべて。
迷いなく、そう言い切っていた。
20:名無しNIPPER
2016/02/25(木) 02:16:54.94 ID:oIslcyv5o
「では、とても弱い人間は好きか?」
「……弱いって? 戦いが?」
「まあ、そういうことだ」
21:名無しNIPPER
2016/02/25(木) 02:21:05.78 ID:oIslcyv5o
「なら、優しい人は好きか?」
「優しいって? どんな風に?」
予想外の返答が飛んできた。
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